きゅうりは野菜の中でもとくにカロリーが低い食べ物です。
なんと、90%以上が水分でできているので、全体を占めるカロリーはほとんど無いに等しいです。
そのため、含む栄養価が低いとも言われ、世界一栄養がない野菜としてギネス認定もされているようですよ。
今回は身近な野菜きゅうりのカロリーについて見ていきましょう。
記事内容(項目をクリックすると飛べます)
- 1 きゅうり一本のカロリーは?
- 2 きゅうり一本と同じカロリーの食品
- 3 きゅうりの大きさ・カットごとのカロリー
- 4 きゅうりと一緒にサラダなどで食べる野菜のカロリーは?
- 5 きゅうりの栄養価
- 6 きゅうりの嬉しい効果
- 7 きゅうりは消化にかかるエネルギーのほうが大きい?
- 8 きゅうりをダイエットに使うときは
- 9 きゅうりのダイエット効果
- 10 きゅうりで太ることはある?
- 11 きゅうりでダイエットが失敗するときはどんなとき?
- 12 きゅうりを食べる時の注意点
- 13 きゅうりの浅漬けのカロリー
- 14 きゅうりのぬか漬けのカロリー
- 15 冷蔵庫でぬか漬けを作る方法
- 16 浅漬の利点
- 17 きゅうりの選び方
- 18 きゅうりのカロリーまとめ
きゅうり一本のカロリーは?
きゅうりは一本で98gくらいなので、一本14kcalです。
一本をお腹に入れれば、わりとボリュームはあるのに、14kcalとなるとなかなかに低カロリーではないでしょうか?
きゅうり一本と同じカロリーの食品
では、きゅうり一本14kcalと同じ食品にはどんなものがあるでしょうか?
気になったので調べてみました。
分類 | 食品 | 14kcalの量 |
野菜 | 小松菜 | 100g |
野菜 | 白菜 | 100g |
果物 | びわ | 1個(35g) |
野菜 | ズッキーニ | 100g |
野菜 | サラダ菜 | 100g |
店・メーカー | 食品 | 14kcalの量 |
不二家 | 白桃ミルキー 袋 100g | 1粒 |
不二家 | サクサクミルキー 袋 54g | 1粒 |
不二家 | ルックキャンディ 袋 70g | 1粒 |
不二家 | 濃いいちごミルキー 袋100g | 1粒 |
不二家 | いちごみるくミルキー 袋100g | 1粒 |
ドトール | エスプレッソシュガー | 1本 |
花王 | ヘルシア 緑茶 ペット | 350ml |
イオン | トップバリュ 生ハムロース パック50g | 10g |
DHC | コラーゲンゼリーEX 箱15包 | 1包 |
ヘルシアって意外とカロリーがあるんですね。
同じ夏野菜であるズッキーニはきゅうりと同じカロリーのようです。
他にも白菜や小松菜といったヘルシーな野菜が上がっています。
きゅうりの大きさ・カットごとのカロリー
念のため、サイズや切り分けたきゅうりごとのカロリーについてもまとめておきます。
サイズ | カロリー |
小サイズきゅうり(83g) | 12kcal |
中サイズきゅうり(98g) | 14kcal |
大サイズきゅうり(176g) | 25kcal |
輪切りスライス1枚(1g) | 0.14kcal |
斜めスライス1枚(4g) | 0.6kcal |
スティックきゅうり1本(10g) | 1kcal |
角切りきゅうり(10g) | 1kcal |
短めの乱切りきゅうり(7g) | 1kcal |
長めの乱切りきゅうり(9g) | 2kcal |
大きくても30kcalを越えることは無いようです。
そうとうたくさん食べたり、特大だったら話は別ですが、きゅうり1本を食べてもカロリーはあまり心配しなくてよさそうですね。
きゅうりと一緒にサラダなどで食べる野菜のカロリーは?
きゅうりはサラダとしても活用される野菜ですから、同じお皿の上に盛りつけられる野菜のカロリーもまとめてみました。
きゅうり1本と同じ98gあたりのカロリーです。
食材 | カロリー(98gあたり) |
レタス | 12kcal |
トマト | 19kcal |
アスパラ | 22kcal |
ブロッコリー | 33kcal |
パプリカ(赤) | 30kcal |
にんじん | 37kcal |
カリフラワー | 27kcal |
水菜 | 23kcal |
だいこん | 18kcal |
こう見てもきゅうりのヘルシーさは際立ちますが、レタスのカロリーには負けてしまいますね。
それでも、きゅうりは噛みごたえがありますし、火を通さなくても調理法が豊富なことが魅力にあるでしょう。
きゅうりには食物繊維が多く含まれているので、適度な固さがあり、早食いを予防してくれる効果もあります。
きゅうりの栄養価
栄養がないという不名誉を被ってしまったきゅうりですが、少しも含まれていないというわけではないのです。
14kcalという低カロリーでありながらも、カリウムやビタミンAといった成分が入っています。
<きゅうり1本(98g)の成分>
成分 | 量 |
カリウム | 196mg |
マグネシウム | 14.7mg |
ビタミンK | 33.32μg |
ビタミンA | 27.44μg |
ビタミンB6 | 0.05mg |
ビタミンE | 0.29mg |
ビタミンC | 13.72mg |
葉酸 | 24.5μg |
モリブデン | 3.92μg |
鉄 | 0.29mg |
亜鉛 | 0.2mg |
マグネシウム | 14.7mg |
カルシウム | 25.48mg |
リン | 35.28mg |
セレン | 0.98μg |
銅 | 0.11mg |
食物繊維 | 1.1g |
ビタミンB1 | 0.03mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
水分 | 96g |
たんぱく質 | 0.98g |
炭水化物 | 2.9g |
脂質 | 0.1g |
栄養に優れたアボカドと比べるとカリウムの量は劣るものの、100gで187kcalのアボカドよりも遥かに低カロリーでこの量のカリウムをとることができます。
また、含まれているビタミンCは白血球を活性化させて免疫力を高める効果があります。
ビタミンCは紫外線によるメラニン色素の生成を抑制してくれるほか、コラーゲンを作ってきれいな肌を作るために効果を発揮してくれます。
きゅうりには、とくに不溶性食物繊維が多く含まれています。この食物繊維が入っているといわゆる繊維質な食べ物になりやすいので、きゅうりにも歯ごたえがあります。
よく噛んで食べる必要があるため早食いの予防になってくれます。
不溶性食物繊維はお腹の中で水分を吸収してふくらむので、便の排出を促して便秘を予防する効果もあるのです。
ビタミンAはがんの予防に効果がある他、皮膚の粘膜の維持、視力低下の予防、夜盲症(薄暗く見える)の予防には必要不可欠な成分です。
きゅうりの嬉しい効果
きゅうりは夏に旬を迎える野菜だけに、暑い夏場や夏バテには嬉しい効果を発揮してくれるのです。
体温を下げてくれる
夏場は身体に熱がこもってしまいますが、きゅうりは体内から体温を下げてくれる効果があります。
夏場に顔や身体の火照りがなかなか治らない時はきゅうりを食べることが有効で、口にすることで身体の熱を取り去ってくれるのです。
逆に言えば、冬場はさらに身体を冷やしてしまうので、きゅうりは旬である夏に食べるのがベストと言えるでしょう。
水分補給になる
きゅうりは90%が水分ですので、夏バテ予防のための水分補給になります。
同時にカリウムも摂取でき、利尿作用によって余分な塩分を排出してくれるので、手足などのむくみを解消してくれる効果もあります。
きゅうりは、夏バテのだるい時や食欲がわかない時でも比較的食べやすい野菜と言えるので、旬を迎える夏にはぜひ取り入れて欲しい野菜です。
二日酔いの予防
二日酔いによって、頭痛とともにほてりを感じている時にはきゅうりのような冷却効果のある野菜が有効です。
そのままの他、絞り汁でも効果があります。カリウムが入っているため体内の塩分や老廃物を排泄して、血液をきれいにしてくれるのです。
きゅうりをアルコールのおつまみに加えると、含まれるミネラルが身体のアルコールを分解して代謝を促してくれます。
ちなみに、きゅうりはぬか漬けにするとビタミンB1の効果もプラスされます。
ビタミンB1には胃粘膜を修復してくれる効果があり、ビタミンCは疲労回復にも役立ってくれるので、アルコールのお供にはぜひきゅうりを加えると良いでしょう。
きゅうりは消化にかかるエネルギーのほうが大きい?
きゅうりのカロリーは1本あたり14kcalですが、きゅうりはこの吸収するカロリーよりも、消化するときに使われるエネルギーのほうが多くなると言われています。
人間の身体は、消化するときにもエネルギーを必要とし、きゅうりの場合は14kcalに対して消化に使うエネルギーのほうが大きいのです。
つまりは食べてもカロリーがマイナスになるといわれるマイナスカロリーダイエットにも使える食品なのです。
マイナスカロリーダイエットとは?
マイナスカロリーダイエットは、食品が含むカロリーよりも、その食品を消化するために必要なエネルギーのほうが大きいことを利用して、行うダイエット法です。
つまり
- 消化に使うエネルギー>摂取カロリー
になるように食品を選ぶダイエット法です。
食べ物のカロリーより、その食品を消化するエネルギーのほうが大きければ、身体に蓄積された脂肪が燃えやすくなるのです。
咀嚼や吸収、消化、代謝など「食事誘導性熱産生」に使うエネルギー消費のカロリーより、少ないカロリーしか含まれていない食べ物を選ぶことで、空腹感を感じずにダイエットを行うという方法です。
食事誘導性熱産生は、食事をした後に安静にしていても、消費されるエネルギーのことを指します。
<マイナスカロリーになる食品>
- きゅうり
- セロリ
- ブロッコリー
- パイナップル
- イチゴ
- リンゴ
- グレープフルーツ
- スイカ
- トマト
- ほうれん草
- 玉ねぎ
- にんじん
- キャベツ
- ブロッコリー
- アスパラ
- わかめ、昆布
- 唐辛子
- レタス
- 大根 など
低カロリーな野菜、果物、海藻はだいたい当てはまるようですね。
消化に使うカロリーが大きいということは、食べた分以上にカロリーが減りやすくなるのです。
ただ、これはあくまでカロリー量に着目しただけのダイエット法です。
実際はビタミン、ミネラル、たんぱく質などの栄養素も必要になりますので、マイナスカロリー食品だけでダイエットをすればリバウンドもしやすくなります。
野菜や果物だけでなく、バランスよく取り入れることが大切になるでしょう。
きゅうりは栄養価が少ないと言われているものの、低カロリーでヘルシーなので、ダイエットをしたときにはおすすめな食べ物ですね。
きゅうりをダイエットに使うときは
1本14kcalとカロリーの低いきゅうりなので、ダイエットにも使いやすい食材と言えます。
摂取カロリーよりも消化エネルギーが高いので、適量食べても太ることはほぼないでしょう。
使い方としては、夏場では身体も熱がこもりやすいので、水分補給や体温を落とすためとしてきゅうりを食べると良いでしょう。
できれば、生のきゅうりをそのままかじってしまえばカロリーなどの心配はありませんが、ドレッシングや味付けには注意です。
きゅうりにはマヨネーズをいっぱいかけたり、油が入ったドレッシングをついつい入れがちなので、カロリーが跳ね上がってしまうのです。
せっかく低カロリーのきゅうりを食べても、味付けでカロリーが増えてしまっては意味がありません。
浅漬などでも、塩の量に注意です。
摂り過ぎない程度の味噌や塩、油分が入らないドレッシングなどで食べるようにしましょう。塩分やカロリーに気をつければ、高血圧の場合ややダイエット時でも安心して取り入れることが出来ます。
また、きゅうりは身体を冷やすので、冬場のダイエットにはあまり勧められない食材です。
身体を冷やしてしまえば、代謝も落ちてしまう上、痩せにくくなってしまうのです。
冬場に食べたいときは身体を温めるような他の野菜や食事と一緒に摂取するのがポイントです。
水分を多く含み、身体の体温を下げる作用があるきゅうりは、どちらかというと暑い夏向けの食材と言えます。
ちなみにきゅうりには食物繊維が含まれているので、食前に食べるとある程度お腹を満たすことができて、食べ過ぎを防ぐことが出来ます。
その後に温かいものを食べたり、メインの食事を食べると良いでしょう。
きゅうりはダイエットに向いている野菜ですが、特徴や効力を理解して上手に活用することが大切です。
また、きゅうりには脂肪を分解してくれるホスホリパーゼという酵素が含まれています。
きゅうりのダイエット効果
ホスホリパーゼについて
ホスホリパーゼはすりおろして行うきゅうりダイエットにおいて、もっとも注目されている成分ですが、ホスホリパーゼは従来の脂肪分解酵素よりも脂肪を分解する効力が高いと言われている成分です。
このホスホリパーゼをより効率的に活かすには、金属のおろし金できゅうりの細胞膜を壊すことです。
こうするとホスホリパーゼを外に出すことができ、通常の3倍以上もの効果を得ることができるという話です。
すりおろしきゅうりダイエットについては、以下で詳しくまとめています。
きゅうりで太ることはある?
きゅうりで太る場合に考えられるのは、油が入ったドレッシングやマヨネーズなどでカロリーが増えすぎてしまうことと、漬物などの塩分が濃い味付けをされることが多いので食欲が増進して食べ過ぎてしまうことです。
きゅうり自体をそのまま丸かじりするならば、お腹を満たしてくれるので有効なのですが、味付けには注意が必要です。
どんなにきゅうり自体が低カロリーでも、ほかの調味料や食べ物でカロリーが増えてしまっては、太る原因になってしまいます。
きゅうりでダイエットが失敗するときはどんなとき?
きゅうりダイエットが失敗してしまうのは、まずはきゅうりが苦手てある場合です。
きゅうりの匂いや味などがもともと好きではないと、辛くなってしまう場合があります。
苦手な食べ物でダイエットに挑戦してしまうと、続かないので、きゅうりが苦手ならお勧めしません。
また、きゅうりには身体を冷やす作用があるので、摂取によって代謝が落ちてしまうことも理由にあげられます。
ホスホリパーゼによって脂肪が分解されても、基礎代謝が落ちて消費カロリーが減ってしまえば、ダイエットに役立つことはできません。
きゅうりを食べる時の注意点
きゅうりには水分が多く、身体の熱を下げる効果があるため、食べ過ぎると身体を冷やしてしまう作用が強まってしまいます。
きゅうりを食べ過ぎることで胃腸が冷えてしまい、機能が低下して代謝の低下につながってしまうのです。
また、普段から冷え性で悩んでいたり、寒気がするときにきゅうりを食べることはお勧めできません。
身体を冷やすことで血行不良を招き、冷え性の悪化につながってしまうのです。
もし冷え性できゅうりを食べたいときは温かい料理(うどんやスープなど)に使うことをすすめます。
しょうがや玉ねぎ、かぼちゃ、にんじん、長ネギなどは身体を温めてくれる食品なので、これらと一緒に摂取するといいでしょう。
なお、脂肪分解の酵素は熱に弱く、50度以上になると体内で活用されません。
きゅうりは調理でしっかりと火を通すのは避け、出来上がった料理の上にサッとのせるのが良い方法です。
ビタミンCを壊す?アスコルビナーゼの注意点
アスコルビナーゼにはビタミンCを壊して、劣化させてしまうという話があります。
なので、今までの話ではビタミンCが入った食材ときゅうりを一緒に食べないほうが良いと言われていました。
しかし現在では、アスコルビナーゼは還元型のビタミンCを酸化型のビタミンCに変えてしまうだけで、この酸化型のビタミンCは体内で還元型のビタミンCとして効力を発揮してくれるという説が出ています。
この説については、現在進行形で研究が行われていますが、一説として覚えておいて損はない話でしょう。
それでもアスコルビナーゼが心配な場合は、この成分は酸に弱いので、レモン(かんきつ類)や酢などで和え物にすると活性を失うと言われています。
また、発酵させてもアスコルビナーゼの効果がなくなりますので、ぬか漬けにするのも効果的です。
きゅうり自身にもビタミンCは豊富で、ダイエットにはとても適した野菜といえるのですが、きゅうりの青臭い匂いが苦手で、生では食べられないという人もいます。
そんなときは浅漬などの漬物にして、匂いを緩和してしまいましょう。
ぬか漬けにすれば、アスコルビナーゼを無効化することも出来ますので、さらに得します。
漬物にした時のカロリーが気になると思いますので、以下よりまとめていきます。
きゅうりの浅漬けのカロリー
基本的に浅漬に使う材料は塩や出汁だけなので、カロリーにはほとんど変化がありません。
つまりきゅうりとほぼ同じカロリー量だと思っておいても大丈夫です。
増えても1~2kcal程度の微量な量なので、浅漬のカロリーはきゅうり一本分(98g)でも16~14kcalくらいでしょう。
つまりほとんどカロリーが増える心配をする必要はないので、生のきゅうりの匂いが苦手な場合は浅漬にするのが良い方法でしょう。
ただ、塩が入る分、塩分の摂取量には気をつけましょう。高血圧の場合はとくに注意です。
念のため、浅漬きゅうりのカットごとのカロリーも載せておきます。
浅漬けきゅうりのサイズ | カロリー |
薄切りきゅうり1枚(6g) | 1kcal |
乱切りきゅうり1個(7g) | 2kcal |
小サイズきゅうり(83g) | 14kcal |
中サイズきゅうり(98g) | 16kcal |
大サイズきゅうり(176g) | 29kcal |
きゅうりといっしょに浅漬にされる食材には、キャベツやにんじん、なすなどがありますが、これらのカロリーも知っておきましょう。
重量は、きゅうり一本分(98g)と同じ重さでまとめています。
食材 | カロリー(98gあたり) |
キャベツ | 23kcal |
にんじん | 37kcal |
なす | 22kcal |
アスパラ | 22kcal |
みょうが | 12kcal |
大根 | 18kcal |
かぶ | 20kcal |
白菜 | 14kcal |
白うり | 15kcal |
セロリ | 15kcal |
ラディッシュ | 15kcal |
ちなみに、浅漬には小口切りした赤唐辛子が入れられることがありますが、唐辛子は一本(0.4g)あたり1kcalです。
10本で4gくらいなので、14kcalになります。味の好みで入れると良いでしょう。
きゅうりで身体を冷やさないためには漬物が良い
きゅうりは水分が多く含まれ身体を冷やすとされますが、ナトリウムが含まれる食品は身体を温めると言われます。
塩気は生野菜の身体を冷やす陰性食品の特徴を消し去り、身体を温める陽性食品の性質に変えてくれるのです。
つまり、身体を冷やさないできゅうりを食べたいときは塩分を含んだ漬物にするのがポイントなのです。
きゅうりのぬか漬けのカロリー
浅漬けはきゅうりの匂いが消えて食べやすいという利点がありますが、きゅうりをぬか漬け(糠みそ漬け)にするとさらに栄養価がアップします。
糠(ぬか)は玄米を精白して白米にするときに、分離した胚芽や種皮、果皮などが混ざった粉のことです。
玄米の栄養の高さは広く知られていますが、糠は玄米の成分が詰まっている部分なので、糠につけたきゅうりは栄養がバッチリと入っているのです。
ぬか漬けにすると、きゅうり1本分(98g)で27kcalと、少しカロリーは上がりますが、体に取り入れる価値は十分にあるでしょう。
サイズ | カロリー |
小サイズきゅうり(83g) | 23kcal |
中サイズきゅうり(98g) | 27kcal |
大サイズきゅうり(176g) | 48kcal |
薄切りきゅうり1枚(7g) | 2kcal |
ぬか漬けには植物乳酸菌と呼ばれる菌が含まれており、生きたまま腸に届くので、善玉菌が増え悪玉菌を退治してくれるのです。
悪玉菌はアルカリ性の環境を好むので、乳酸を産生する乳酸菌は腸内を酸性に変えて、善玉菌を退散させることができるのです。
ぬか漬けの乳酸菌の効果
<便秘解消>
乳酸菌といえば便秘を解消してくれるといいますが、ストレスや食生活の影響で、善玉菌が少なくなると、乳酸が少なくなり腸内がアルカリ性に傾いてしまいます。
すると悪玉菌が増えやすい環境ができあがり、日和見菌と呼ばれる本来無害な菌でさえも悪玉化してしまうという自体を引き起こします。
腸の中は排便に必要な善玉菌が1割、便秘を引き起こす悪玉菌が1割、ほかの8割は日和見菌で構成されているので、悪玉菌が増え始めると日和見菌が影響を受けて、悪玉菌が増えやすくなるという悪循環に陥ってしまいます。
ここで乳酸菌を取り入れると、悪玉菌が嫌う環境を改善するための有機酸をつくり出して、腸の中を悪玉菌が嫌いな酸性に変えてくれます。
ビフィズス菌などの善玉菌を増やし、日和見菌もいっしょに善玉化してくれるという循環を生んでくれるので、腸内環境がよくなり便秘が改善されていきます。
植物性乳酸菌は胃酸や塩にも耐性をもち、味噌や漬物の中でも生存しているくらい強いので、人の体の中でも活性することができるるのです。
腸で乳酸菌が活性化されることでお腹の調子も良くなり、便秘解消へとつながります。
<新陳代謝をよくする>
腸内環境が改善されることによって、消化や老廃物の排出がスムーズに行くようになるので、新陳代謝がよくなり内臓脂肪などが燃えやすくなります。
間接的にもダイエットへ効果を表してくれるので、体重を減らしたい時にもぬか漬けはおすすめできると言えます。
<免疫機能を上げる>
最近では、乳酸菌がナチュラルキラー細胞(NK細胞)という免疫力に関わる細胞を活性化させることも認められ、がん細胞やウイルス、病原体から身体を守る免疫力の向上効果もあると言われているのです。
免疫機能が上がることでアトピー性皮膚炎や花粉症といったアレルギーを改善してくれるとも言われています。
豊富な栄養価をもつぬか漬けは肌に対しても嬉しい効果を与えてくれます。
また、腸内の老廃物がうまく排出されないと、肌荒れや吹き出物といった肌トラブルが起こることもあります。
便秘などで腸内の環境が悪くなると、悪玉菌が活性化されて腐敗物や有毒ガスといった毒素が発生してしまいます。
これらは腸の粘膜にある毛細血管から血液にとけだして、全身を巡るようになります。
皮膚から排出されることで、肌荒れやニキビなどの原因となり、便秘の状態では血行不良で肌のハリやツヤも失われていくのです。
乳酸菌を取り入れることによって、悪玉菌を減らすことができ、善玉菌が活性化されて肌荒れの改善にもつなげることができます。
ぬか漬けを摂取するタイミング
ぬか漬けには便秘を解消してくれる効果や免疫力を上げる効果などがありますが、とくに夕飯に摂取すると良いと言われています。
これはその後に他の栄養を摂取せず、身体を休めて眠るだけなので乳酸菌が最大限に活性化されるからだそうです。
ぬか漬けのビタミンB1の効果
<疲労回復効果>
ビタミンB1は疲労回復のビタミンと呼ばれ、夏バテを予防するにはとくに必要不可欠な成分だと言われています。
ビタミンB1がきちんととれていることで、エネルギー生産の効率も良くなって、夏の暑さによる疲労を回復してくれるのです。
エネルギーを生産する役割もあります。
ビタミンB1は糖質をブドウ糖へ変換する役割があるので、ビタミンB1がなければブドウ糖が作られず、脳に栄養が行き渡らなくなりイライラや精神不安定、集中ができなくなるなどの症状が出ることもあります。
アルツハイマーの予防にも効果があると言われ、神経や脳の働きを維持するためにも、ビタミンB1は必要な成分なのです。
<ダイエット効果>
糖質をビタミンB1と一緒にとると、エネルギーとして糖質を効率よく消費することができるため、ダイエットへの効果を期待することが出来ます。
また、にんにくや長ネギ、玉ねぎやニラといった野菜の香り成分であるアリシンと一緒にビタミンB1を一緒にとることで、体内で長くビタミンB1の効果を持続させてくれると言われます。
ビタミンB1は水溶性なので、摂取してから時間が経つと排出されてしまいますが、アリシンの効果があるとより長く体内で効果を持続させることができるのです。
<免疫力の向上>
ビタミンB1には風邪をひきにくくして免疫力を向上させる効果があります。
とくに夏場には必要となる成分です。汗とともに失われる上、夏はエネルギーの必要量も多くなるので、糖質をエネルギーとして利用するときにビタミンB1も使われるのです。
運動をたくさん行ったりなど、エネルギーを多く消費する場合でもその分ビタミンB1が必要です。
もちろん夏に限らずビタミンB1は身体に必要な成分ですので、バランスよく食べることが大切です。
冷蔵庫でぬか漬けを作る方法
ぬか漬けは自宅でも作ることが出来ます。
<準備するもの>
- 米ぬか:1kg
- 塩(粗塩でOK):140g~150g
- 水:1200cc
- 赤とうがらし:2~3本
- だし昆布:10cmを1枚
- 捨て漬け用の野菜くず:適量。大根の葉などの葉ものがよい。
粗塩はぬか1kgに140~150g準備しましょう。
米ぬか1kgに対し、容器の容量は混ぜる時のことを考えてぬか床の倍以上の高さがあると作りやすいです。3.5L~4Lくらいあると余裕をもって作れます。
容器は陶器やホーロー、ガラス製などの蓋付きのものを準備してください。こちらのようなものは1.5~2kgのぬかが使えるのでお勧めです。↓
塩分や乳酸菌の影響をさけるため、アルミ・鉄製のものは避けましょう。
1:捨て漬けを作る
捨て漬けは、塩分が馴染みやすくしたり、ぬかの発酵を促したり、つけ始めの味を吸収させるために行います。
この段階では塩辛く食べられませんが、捨て漬けを行うことでより美味しいぬか漬けを作ることが出来ます。
捨て漬けに使う野菜は、水気の多い部分を使い、にんじんのヘタや大根の葉などがおすすめです。
乳酸菌が多い葉物をできれば準備すると発酵をうながすことができます。
2:ぬか床を作る
- なべに水を入れて沸騰させ、煮だったら粗塩を加えて水になじませます。
- 水に浸透したら火を止めて冷まします。
- 別の鍋にぬかを入れて弱火にし、ぬかが薄いきつね色になるまで炒り、冷まします。鍋のサイズが小さい場合は2回にわけでもOKです。
- ぬかを漬けるための容器にいれます。先ほどさましておいた塩水をダマができないように3回に分けて入れ、手で混ぜます。
- 混ぜたらぬかにヘタと種を取り除いた赤唐辛子、昆布を入れてまぜます。うまみ漬に大豆と粉がらしを入れてもOKです。
- にんじんやだいこんなどをぬかに埋め込んだら、表面を平らにならし、周辺についたぬかはキッチンペーパー等で綺麗にふきとります。
- 冷暗所でぬか床を熟成させます。まだ冷蔵庫にはいれないでください。10日間捨て漬けをします。
- できれば朝と夕方の1日2回ほど空気を入れてかき混ぜると良いでしょう。
- 2~3日たったら一度野菜をとりだし、ぬかを取り除いて水分をぎゅっと絞ります。その後またぬか床に戻します。
- 底からかきまぜて新しい野菜を加え、表面をならします。
- これを繰り返していくうち、塩分もちょうどよくなっていき、乳酸菌も増えていきます。
<ぬか床の作り方その1>
<ぬか床の作り方その2>
3:本漬け
この段階で、ようやく冷蔵庫で保存することになります。
- 捨て付けした野菜のくずを取り出して処分します。
- ぬか漬けにする野菜の表面を塩でこすってからつけると、傷がついたところから色や味が漬きやすくなります。ぬか床への塩分補給にもなるのでぜひ行いましょう。
- ぬか床へしっかりと野菜の全身を埋め込みます。ぬか床は野菜を入れるより先に平らにならしておき、野菜は埋め込むようにつけます。こうすると発色がよくなるのです。
- 野菜は20~48時間つけます。1週間に1日常温に置くと発酵してぬかの状態がよくなります。
- 野菜を取り出すときは、ぬかは手で拭き取ってぬか床に戻します。
- 野菜の水分は絞らずに取り出し、流水でサッと洗って残ったぬかを落とし、器にもって完成です。
浅漬の利点
自宅で作った浅漬や市販の浅漬けのきゅうりは、塩や調味料でつけられているので、乳酸菌は含まれていません。なので、栄養面ではどうしてもぬか漬けに負けてしまいます。
しかし、浅漬はスーパーなどで売っている浅漬の素を袋に入れて揉むだけで、すぐに作れるという手軽さがあります。
ぬか漬けはどうしても週単位の時間がかかってしまいますが、浅漬は一日で作ることができるのです。
時間もかからず塩分を調節して作ることができるため、手間をあまりかけたくないときにもおすすめです。
生のきゅうりがあったら、すぐに浅漬にすることができます。そのままのきゅうりが苦手な場合は、まずは手軽な浅漬として作ってみるのをお勧めします。
きゅうりの選び方
きゅうりを店頭で購入する際には、せっかくなら新鮮でいいきゅうりを選びたいですよね。
ここでは、美味しいきゅうりを選ぶポイントを紹介します。
最近はイボなしのきゅうりが出回ってきているので、その場合は太さや色、表面にハリがあるかで新鮮さをみるといいですね。
<1、ハリがあって重さがあり、太さが均一のものを選ぶ>
あまりにも太すぎたり、太さが揃っていないきゅうりは、部分で味にばらつきがあり、栄養のバランスも全体に行き渡っていないため避けましょう。
逆に太さがそろっていて均一なきゅうりは、味や水分も統一されており美味しいきゅうりです。
なお、きゅうりの形は味には関係しないので、多少曲がっていても選んで問題はありません。
全体の色にムラがなく、深緑色に育っているきゅうりは栄養も十分に入っています。
逆に色がぼけていたり、端のほうが黄色くなっている場合、栄養が十分に含まれていない可能性がありますので避けましょう。
<3、イボが尖っているものを選ぶ>
新鮮でないきゅうりはしなびてイボがゴツゴツしなくなります。なので表面の突起が尖っているものを選ぶのがポイントです。
痛いくらいに尖っているきゅうりは新鮮でみずみずしく、水分をたっぷりと含んで美味しいきゅうりに育っています。
<4、端の部分が固いきゅうりを選ぶ>
新鮮なきゅうりは表面にハリがあるので、端にあるヘタ部分が固くなっています。
逆に収穫されて時間が経ってしまったきゅうりは、端の部分が柔らかくなり、水分が抜けてきゅうりのみずみずしさが失われています。
<5、ヘタの切り口が傷んでいないものを選ぶ>
新鮮なきゅうりを選ぶときは、きゅうりのヘタ部分が傷んでいたり、黒ずみ過ぎていないか確認しましょう。
時間がたってしまったきゅうりはこの部分が傷んでいるので、新鮮かどうかわかる基準になります。
きゅうりのカロリーまとめ
きゅうりは低カロリーな野菜ですが、食べ過ぎると身体を冷やしてしまいますので、注意しましょう。
夏場に体温がなかなか下がらない時にもおすすめで、水分補給にもなります。
きゅうりはすりおろすことでより脂肪分解の効果が高まりますので、おろしきゅうりをドレッシングに混ぜて食べるのもお勧めです。
栄養がないと言われているきゅうりですが、体の体温を下げてくれたり、二日酔いの予防をしてくれたりなど、夏に嬉しい効果がたくさん備わっているのです。
夏場に旬を迎えるきゅうりですから、ぜひぬか漬けや浅漬でおかずに取り入れるといいですね。
現在夏バテに陥っているかわからない場合は、以下の記事の項目からチェックをすることが出来ます。危険度を確認できる項目もありますので、気になっている場合はぜひご覧ください。
<夏の味覚記事>
- ⇒トマト1個のカロリーや糖質・栄養について!ジュースやスープ、パスタでは?
- ⇒トマトジュースのダイエット効果は?健康・美肌への効能とカロリー
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