夏に旬を迎える野菜には、なすやトマト、ピーマン、ズッキーニ、ししとうやゴーヤといった色とりどりの野菜があります。
これらにはビタミンCのほか、カリウム、ビタミンAなどの成分が含まれ、豊富な栄養価で夏バテ時でも役立ってくれます。
そしてとくに馴染みが深い夏野菜には、きゅうりがあります。
サラダやマリネに手軽に使えて、スーパーでも1本から買える野菜がきゅうりですが、なんとギネスブックに「世界一栄養がない野菜」として乗せられているのだとか。
このような不名誉には一体どんな理由があるのでしょうか?気になったので調べてみました。
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「世界一栄養がない野菜」の真実は?
きゅうりは全体の90%以上が水分で構成されており、含まれている栄養素にはカリウム、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどがありますが、他の野菜たちと比べると含有量が低いと言われています。
たしかにきゅうりには「この成分がずば抜けている!」という目立った成分はなく、栄養価が高いと言われるアボカドと比べてみるとかなり量に違いが現れてしまいます。
100gの成分 | きゅうり | アボカド |
カロリー | 14kcal | 187kcal |
カリウム | 200mg | 720mg |
ビタミンA | 28μg | 6μg |
ビタミンE | 0.3mg | 3.3mg |
ビタミンC | 14mg | 15mg |
ビタミンK | 34μg | – |
葉酸 | 25μg | 84μg |
マグネシウム | 15mg | 33mg |
モリブデン | 4μg | 2μg |
※アボカドは中くらいのサイズを1個で140gくらいなので、普通に食べるとこの数字よりは若干成分の量が変わってきます。
脂肪がない分、きゅうりのカロリーの低さにはすばらしいものがありますが、カリウムの数値はアボカドに負けてしまっていますね。
ちなみにきゅうりは1本で98gくらいなので、ほとんど100gの数値と違いはありません。
数値からみて、きゅうりの利点をあげるなら、圧倒的なカロリーの低さとビタミンKの含有量でしょうか?
しかしこのカロリーでカリウムが200mgもとれるならなかなかじゃないか?とも思うんですけどね…。
他のトマトやゴーヤなどの夏野菜と比べても、際立つ栄養成分がなく、こういった部分からきゅうりは「世界一栄養がない野菜」としてギネス認定されてしまっているようです。
たしかに数値的に見ると、「きゅうりの栄養価は低い」となってしまうのかもしれませんが、きゅうりにもダイエットに活かせる特有の成分がきちんと備わっているのです。
きゅうりに含まれる栄養素
「栄養がない」などという不名誉を被ってしまったきゅうりですが、実は脂肪を分解してくれるありがたい酵素が含まれています。
それがホスホリパーゼと呼ばれる酵素で、アボカドに含まれる脂肪分解酵素であるリパーゼよりも、優れた脂肪分解力があると言われています。
夏に巷で流行り出す、すりおろしきゅうりダイエットでは、きゅうりをおろすことでこのホスホリパーゼが活性化されて、酵素量が通常の3倍も増えると言われています。
ホスホリパーゼの効果
ホスホリパーゼが脂肪を分解してくれることで、身体の代謝がアップして痩せやすくなりダイエット効果を期待することが出来ます。
酵素は通常体内で作られる成分ですが、20歳を過ぎることで次第に量も少なくなってきますので、食べ物から補給する必要があります。
とくにダイエット時は、脂肪を効率よく燃やすことのできる酵素を補給することで、痩せやすい身体をつくり体重を減らすことを助けてくれる効果があります。
酵素を食べ物から摂取すると、免疫力が上がってアンチエイジング効果を得ることができます。代謝を上げて脂肪を燃やしやすくしてくれる他、老廃物を出してくれるデトックス効果があります。
ビタミンCを壊す酵素?アスコルビナーゼについて
きゅうり自体にもビタミンCは含んでいるものの、きゅうりに含まれているアスコルビナーゼは、ビタミンCを壊して酸化させる効果があると言われています。
夏野菜であるゴーヤやピーマンには、ビタミンCがたくさん含まれていますが、そのままきゅうりと一緒に食べると、せっかくのビタミンCを台無しにされて効果がなくなってしまうのです。
すぐに食べればリスクは少ないですが、調理してから時間を置いて食べると、ビタミンCが酸化してジゲトグロン酸という物質に変化し、ビタミンCの働きが崩壊してしまうのです。
アスコルビナーゼは、とくに空気に触れたり、繊維が傷つけられたものに対して活性化しますので、ジューサーに入れたきゅうりや、たたいたきゅうり、刻んだ野菜のサラダにきゅうりを加えたりするとビタミンCが酸化される可能性も一気に高くなります。
アスコルビナーゼはリンゴやにんじん、かぼちゃ、キャベツ、カリフラワー、春菊、バナナなどにも含まれているので注意です。
この点を解決するには、アスコルビナーゼは酸に弱いという特徴をもつので、酢やレモンと一緒に混ぜあわせて食べるという方法があります。
たとえばビタミンCをたっぷりと含むパプリカと、アスコルビナーゼを含むきゅうりを一緒に食べたいなら、酢をくわえて混ぜあわせ、酢の物にするとビタミンCの美容や健康への嬉しい効果を活かすことが出来ます。
ビタミンCには免疫力を高める効果や、ダイエットには嬉しい代謝アップの効果がありますので、太りにくく痩せやすい身体を作るなら、ぜひ活用したい成分です。
他にも発酵させるとアスコルビナーゼは活性を失いますので、きゅうりをぬか漬けなどにするのも有効です。
アスコルビナーゼは加熱にも弱いですが、火を通すとホスホリパーゼなどの酵素も失われてしまうので、発酵か酢などの酸につけることを勧めます。
アスコルビナーゼの最近の解釈
アスコルビナーゼはビタミンCを破壊する作用があると言われていますが、最近ではビタミンCを破壊するのではなく、還元型のビタミンC(L-アスコルビン酸)から酸化型のビタミンC(デヒドロアスコルビン酸)に変化させてしまうだけということがわかってきました。
酸化型というと悪くなってしまっているイメージがついてしまいますが、酸化型ビタミンCのデヒドロアスコルビン酸は、体内でL-デヒドロアスコルビン酸に還元されます。
L-デヒドロアスコルビン酸は、還元型のビタミンCであるL-アスコルビン酸と同様の化合物であるとされ、酸化型ビタミンCは還元型ビタミンCになり、酸化型が変化する割合は、ほとんどが還元型になることがわかっているそうです。
つまりは、還元型であれ酸化型であれ、どちらを摂取しても、ビタミンC本来の効力は変わらず体内で活用されるということになります。
ビタミンCが破壊されて、酸化されるのが悪いと言われてきたのは、ビタミンCの活性が失われたまま吸収されるため、効力が得られないという理由からでした。
しかし、最近ではこうした酸化したビタミンCも体内で還元されて、活用されることがわかったので、ビタミンCとアスコルビナーゼは相性が悪いわけではないと言われ始めているのです。
つまりは、アスコルビナーゼとビタミンCが入った食品をいっしょにとっても、ビタミンC自体の摂取量に変化はないということになります。
こういった研究は現在進行形で行われていますので、違った見解が出てくることもあるかもしれませんが、一つの説として知っておきましょう。
むくみを解消してくれるカリウム
アボカドには負けてしまいますが、きゅうりにもカリウムが多く含まれ、塩分を排出して高血圧などにも効果があります。
利尿作用によって体内の水分を調節して、むくみを解消してくれると言われています。
その他、きゅうりに含まれている成分
きゅうりはスイカと同じウリ科の野菜なので、特有の成分であるシトルリンが含まれています。
シトルリンは、血流をよくする効果がとくに注目されており、冷え性やむくみ、代謝を上げてくれる効果などを得ることが出来ます。
むくみというのは身体に余分な水分や老廃物が蓄積されることで引き起こされると言われていますが、シトルリンによって血の巡りがよくなることで、水分が排出されやすくなってむくみを解消してくれるのです。
他のきゅうりが含む栄養素については、以下の記事がとくに詳しくまとめられています。
ビタミンAが視力や粘膜の健康維持に役立つ
きゅうりは淡色野菜であるものの、皮の部分の緑色にはビタミンAが含まれており、この成分の含有量はアボカドに勝っています。
ビタミンAには夏場に弱りやすい胃の粘膜のほか、免疫を上げたり目の視力を正常に保つなどの重要な役割があります。
ガンを予防する効果や、抗酸化作用もあるので、有害な活性酸素を除去して身体の不調を取り除いてくれる効果があります。
喉や肺などの呼吸器を守ったり、髪の健康維持にも役立ちます。
きゅうりに含まれているのはβカロテンと呼ばれる成分で、これは体内で必要な分だけビタミンAに変換される性質を持ちます。
本来ビタミンAは脂溶性なので、摂取した分が蓄積されてしまいますが、不要な分が体の外へ排出されるβカロテンは過剰症の心配がない成分なのです。
きゅうりの効能について
水分補給になる・身体の体温を下げてくれる
水分が90%以上と、水をたっぷりと含む夏野菜のきゅうりには、身体の熱を冷まし、体温を下げる効果があります。
暑い夏場は、身体に熱がこもって火照ったり、汗をたくさんかいて水分が不足してしまいますので、きゅうりを食べることで体温を下げて身体に潤いを与えることが出来ます。
とくに夏の猛暑の中では、体温を下げてくれるきゅうりの性質には助かると言えるでしょう。
カリウムやモリブデンといったミネラルも含んでいる上、夏場は汗で塩分も失われやすいので、浅漬などにして食べるとナトリウムの補給になります。
夏バテで食欲がわかず、だるさを感じたり、水分補給を忘れてしまっても、きゅうりは比較的食べやすい食材です。
きゅうりの効果によって体温を下げることで、症状も軽くすることができるでしょう。
<きゅうりの他に体温を下げてくれる食べ物>
- トマト
- ゴーヤ
- みょうが
- スイカ
- ナス
- もやし
- 梨
- キウイ
- こんにゃく
- 豆腐
- ほうれん草
- メロン
- パイナップル
- 大根
- セロリ
- 白うり
- レタス など
ただ、年中冷え性で悩んでいる場合や、冷房がしっかりと効いた部屋できゅうりを食べると、身体を冷やしすぎてしまう可能性があります。
そういった場合できゅうりを食べるときは、スープや生姜などの温かいものと合わせて食べるなどの工夫をするといいでしょう。
きゅうりにはアルコールの代謝を促す作用もありますので、二日酔いや夏バテの予防にも活用したい食品です。
カリウムが塩分を排出してくれる
濃い味付けやおつまみなどで、ついつい塩分を摂り過ぎてしまう場合は、きゅうりに含まれているカリウムの摂取を勧めます。
カリウムには利尿作用があり、余分な塩分を身体の外へ排出して、血圧を下げる作用があります。
きゅうりは90%が水分なので、アボカドなどと比べると栄養は少ないのかもしれませんが、利尿作用やデトックス効果、むくみ解消を助けてくれる効果があります。
ガンを予防してくれる
きゅうりのヘタ部分には、ククルビタシンと呼ばれるファイトケミカルが含まれています。
ククルビタシンはきゅうりの苦味を構成している成分であり、この成分はガンの予防や抑制に効果を発揮してくれると言われています。
現在市場に出回っているきゅうりには、この苦味がかなり少なくなってきているものの、きゅうりが持ち合わせているこの特有の苦味には、がん予防に効果があります。
抗がん作用がある野菜として、このククルビタシンが含まれるきゅうりが注目されています。
きゅうりを食べるときはどんな時?
食欲不振のとき
きゅうりの頭の部分(ヘタの部分)に含まれているククルビタシンという成分には、胃液や唾液の分泌を促して食欲を増やしてくれる作用があります。
きゅうりはほとんどが水分なので、夏の食欲がわかない時でも口にしやすい食品であり、同時に喉の渇きを潤してくれる水分補給にもなります。
さっぱりとしていて食べやすいので、同時に疲労を回復してくれるクエン酸を含んだ梅干しと一緒に食べるといいでしょう。
熱が出たとき
漢方でも、生のきゅうりには体温を下げてくれる作用があると言われるので、身体に熱がこもってしまう発熱時には適した食べ物といえるのです。
ただ、寒気がするときは症状を悪化させてしまう可能性があるので控えましょう。
胃の調子がよくない場合は、きゅうりを食べるともっと調子が悪くなってしまう可能性があるので、身体を温める食品といっしょに取るなど、食べ方を工夫することが大切です。
むくみがある時
きゅうりには利尿作用があるカリウムやイソクエルシトリンという成分が含まれているので、身体の中の老廃物を排出してくれます。
デトックス効果によってむくみの解消につながり、老廃物がたまりにくくなることで痩せやすい身体を作ることもできます。
肌荒れがある時
きゅうりが含んでいるビタミンAには肌を健康に保つ効果があるので、ビタミンAを摂取することで肌荒れにも効果があります。
肌や喉、胃腸などの上皮細胞(からだが外と直接触れている部分)を病原菌から守る役割もあるので、免疫機能を正常に保つ役割もあるのです。
また、きゅうりのホスホリパーゼには細胞の生まれ変わりを促す作用もあるので、肌荒れの改善につなげることができます。
他にはきゅうりに含まれているピラジンという成分が血の巡りをよくしてくれるので、肌をくすみにも効果があると言われています。
胃もたれや胸焼け時・肉類を食べ過ぎた時
きゅうりにはタンパク質分解酵素のプロテアーゼと呼ばれる成分が含まれています。
プロテアーゼは、食べ物に含まれているたんぱく質を身体が吸収しやすい形に変えてくれる役割があります。
お肉を食べ過ぎた時の胃もたれや胸焼けを解消してくれると言われ、胃の調子をよくしてくれると言われています。
ほかにもホスホリパーゼは脂肪分解の酵素なので、脂肪分が多い食事をしたときに効果的です。
ホスホリパーゼは2010年に発見された新型の酵素で、従来の酵素より分解力が強いと言われています。
これらの酵素は熱に弱く、50度以上になると体内で活用することができません。
なので、加熱せず生で食べることがとくに重要ですが、ホスホリパーゼは金属のおろし金ですりおろすことで、3倍もの酵素力を発揮することが出来ます。
ホスホリパーゼの上手な活用法について、詳しく知りたい場合は以下の記事からご覧ください。
血の巡りを良くしたいとき
きゅうりの香り成分であるピラジンはファイトケミカルのひとつで、血液をサラサラにしてくれる効果があると言われています。
血栓の予防もしてくれます。むくみや冷え性など、血行不良によって引き起こされる症状を改善し、肌のくすみ、クマ、肌荒れなどを良くしてくれる効果も期待できます。
また、きゅうりにはククルアスコルビン酸と呼ばれる特有の成分が含まれていて、淡色野菜の中の抗がん成分として注目され、ガンを抑制し予防してくれるとも言われます。
二日酔いを防止したいとき
アルコールが翌日に残りそうと思った時は、その日のうちにきゅうりを口にするといいでしょう。
きゅうりは身体を冷やしてくれるので、アルコールで上がった体温を下げてくれるのです。
きゅうりには、体内のアルコールを分解してくれる作用もあるので二日酔いの予防につながります。
イソクエルシトリンという成分によって利尿作用を促し、きゅうりのミネラルによってアルコールの毒成分を分解してくれます。
また、きゅうりをぬか漬けにすると、胃粘膜を修復してくれるビタミンB1も同時に摂取してくれるのでおすすめの食べ方です。
きゅうりのビタミンCは疲労回復にも役立ってくれるので、アルコールとのおつまみには適した食べ物と言えます。
きゅうりの美容への効果は?
脂肪分解・ダイエット効果
きゅうりのホスホリパーゼという脂肪分解酵素は、従来のリパーゼなどの酵素よりも脂肪分解力の強い酵素だと言われているのです。
すりおろすことによってさらに効力が増し、体内で活用できる量も増えると言われています。
きゅうりダイエットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
きゅうりはそのままでもホスホリパーゼの効果はありますが、その場合はよく噛んで食べることが酵素を活かすコツです。
便秘を解消してくれる
きゅうりには不溶性食物繊維が多く含まれており、身体の中で水分を吸収して便の排出をしてくれる作用があります。
不溶性食物繊維が含まれていると、噛みごたえがあるので、自然とよくかんで食べるようになり、早食いを防ぐ効果もあります。
噛む回数が増えると、食べ物が消化しやすい状態で届くので便秘の予防にもなります。
不溶性食物繊維は、体内で水分を吸収してふくらみ、身体に有害であるダイオキシン等の物質を吸収して排出してくれるので、デトックス効果を得ることも出来ます。
水分が体内に不足すると、便が固くなり腸内に溜まるようになってしまいます。
このため、きゅうりで水分を補給し、不溶性食物繊維によって便に効率よく水分を含ませることで、便をやわらかくして排出を促すことができるのです。
冷え性を改善
きゅうりに含まれているシトルリンには、血流を改善してくれる効果があります。
シトルリンは血管を拡張することで末梢血管に対しても効果を表し、冷え性を緩和してくれます。
きゅうりには葉酸も含まれていますが、葉酸には赤血球の形成をする役割があるので、血液の量を増やして冷え性の改善につなげてくれます。
ファイトケミカルであるピラジンにも血行を良くする作用があり、血液をサラサラにして、脳梗塞や心筋梗塞といった病気の予防に効果があります。
きれいな肌を作ってくれる
ピラジンやシトルリンの作用で血行が良くなることによって、肌の色が明るくなり、くすみやクマの改善を期待することが出来ます。
また、粘膜や肌の健康を保つビタミンAや、メラニン色素の生成を抑制しコラーゲンを作ってくれるビタミンCなどもきゅうりには含まれているので、美肌にもつながります。
シトルリンは肌に弾力や潤いを与えてくれる上、新陳代謝を促して肌が生まれ変わるのをサポートします。
髪を健康的に保つ
きゅうりにはビタミンB6と呼ばれる成分が含まれており、たんぱく質の代謝に関わっている成分です。
たんぱく質は血液や爪、髪の材料となったり、肌の健康を維持するためには必要不可欠な成分です。
このたんぱく質の合成を促すためにはビタミンB6が必要なので、髪の健康にはかかせない栄養素と言えるのです。
また、きゅうりに含まれるシリカは肌や髪に含まれる成分で、ツヤを与えて健康的な状態に保ってくれます。
頭皮のたるみを防止してくれる効果もあり、抜け毛の予防にもなります。
シリカが不足することで髪や爪、肌の老化が早まってしまうと言われており、コンディションも悪くなってしまうと言われています。
髪が健やかに成長するために必要な成分なので、髪の状態が気になる場合はシリカを積極的に摂ってみましょう。
きゅうりパックは効果がある?
きゅうりパックとは?
きゅうりパックは、きゅうりをすりおろしたものをオリーブオイルと混ぜて使用したり、きゅうりをスライスしてそのまま目や口以外に貼り付けて使います。
きゅうりは90%以上が水分でみずみずしい野菜なので、その水分で乾燥肌を解消しようという目的があります。
また、きゅうりに含まれているビタミンCを肌に直接つけることで、コラーゲンを作って肌を引き締める効果があります。こうして美白効果を得ようというのがきゅうりをパックとして使う理由です。
体の熱を取って、火照りを抑えてくれる効果や、含まれている成分が浸透することで肌を美しくしてくれると言われているのです。
個人的には、紫外線を吸収してしまう成分「ソラレン」を含むきゅうりは、パックとして使うことをおすすめはしないのですが、きゅうりパックが気になる方もいるかと思いますので、作り方からやり方まで紹介しておこうと思います。
きゅうりパックの作り方
作り方にはいくつかあり、薄くスライスしたきゅうりをそのまま貼り付ける以外には、すりおろしたきゅうりに材料を混ぜてペースト状にする作り方があります。
材料には例がいくつかあるので、揃えやすいものから試してみるのがいいですね。
- 材料の例1:すりおろしたきゅうり大さじ3、オリーブオイル小さじ1、小麦粉大さじ3
- 材料の例2:きゅうりを半分すりおろしたもの、レモン果汁小さじ1、ターメリックひとつまみ
- 材料の例3:きゅうりを半分すりおろしたもの、はちみつ小さじ1、小麦粉大さじ2、牛乳少量
例1の場合は、先にきゅうりとオリーブオイルを混ぜてから、後に小麦粉を混ぜ合わせます。
例3の場合、きゅうりは水分が多いため、パックにするときに適した固さになるように気をつけます。
混ぜた時になめらかになり過ぎないように牛乳や小麦粉の量を調節してみましょう。垂れてこない程度のペースト状になればOKです。
きゅうりは冷やしたもののほうが毛穴を引き締めてくれるそうです。
きゅうりパックの使い方と効用
パックは洗顔をした後に塗り、20分ほどしたら温水で洗い流します。
きゅうりには水分が豊富なので、ほてりやむくみを取り、乾燥を防いでくれる効果があります。
カリウムやビタミンC、カロテンなどをきゅうりは含みますが、ビタミンCが肌から浸透することでメラニン色素の沈着を防いでくれるのです。
なので太陽の光を多く浴びてしまった日にもおすすめの方法です。
大人ニキビやクマにも効く
大人ニキビというのは、乾燥が原因で皮脂がたくさん分泌されてしまうことが原因にあります。
ニキビは皮脂や汚れが毛穴に詰まることで引き起こされるので、大人ニキビに対して対策をするなら乾燥を防ぐのが予防となります。
きゅうりパックは水分が多いことから、肌を乾燥から守ってくれるため、大人ニキビを治すために役立ってくれると言えるのです。
肌が清潔になった後の洗顔後にパックを付けるのが良いですが、肌は生活習慣も大きく関係していますので、睡眠や食事内容も見直すようにしましょう。
また、目にクマがある場合でもきゅうりパックは有効な方法です。
クマの場合は、目の下の黒くなった範囲につけるだけでいいので、輪切りでスライスしたきゅうりをそのまま乗せると良いでしょう。
ひんやりとして冷たいきゅうりを乗せることで、目の周りの血行がよくなってクマをなくしてくれるのです。
目の周りにもみずみずしさが与えられますので、目元の乾燥を防ぐ手伝いもしてくれます。
きゅうりのペーストでパックをしている時に、スライスきゅうりをのせるようにすると、一緒に行えて手間も省けます。
きゅうりパックの危険性と注意点
きゅうりパックは確かに水分はたくさん含まれているので、肌にみずみずしさを与えてはくれますが、ほとんど水分であるきゅうりからは、貼り付けてもビタミンCの効果をほとんど得られないのではという意見もあります。
また、きゅうりに含まれているソラレンという成分の危険性を考えると個人的にはあまりおすすめはしません。
ソラレンは、紫外線を吸収しやすくしてしまう効果があり、肌にきゅうりを貼り付けることで、その部分からは紫外線の影響が受けやすくなってシミができやすくなってしまうと言われているのです。
きゅうりを食べ物として取り入れた場合は、ソラレンは食べた後の2時間で効用が最も高まり、作用は約8時間ほど続くとされています。
なのでソラレンが入った食品をとりいれるなら、夕方などに食べるといった工夫をすれば紫外線の影響を受けません。翌日には効果が消えてくれます。
しかし、パックとしてきゅうりを肌につけて使用すると、なんと2日間もソラレンの効果が持続してしまうと言われています。
外で長時間紫外線にさらされた場合は炎症を起こしてしまう可能性もありますので、十分注意が必要です。
きゅうりが肌に合うかは、体質にもよると思います。試してみないとわかりませんので、先にパッチテストを行ってみることを勧めます。
きゅうりの成分をより多く取り入れるには?
ほてった身体には冷やしたきゅうりを食べる
きゅうりには身体の体温を下げて、ほてった身体を正常に戻してくれる作用があります。
夏場の熱がこもった身体の体温がなかなか下がらない時は、ぜひ冷やしたきゅうりを食べてみましょう。
きゅうりには水分が多く含まれているので、熱を持った身体を体内から正常な体温に戻してくれます。
ただし、冷えを感じているときに冷やしたきゅうりを食べると、冷え性や寒気を悪化させてしまうことがありますので、取り方には注意が必要です。
すりおろしたきゅうりを使う
きゅうりに含まれているホスホリパーゼは、すりおろして細胞膜を壊すことで3倍もの酵素量になって、脂肪分解を促してくれると言われています。
すりおろしたきゅうりは、ドレッシングに混ぜてサラダにかけたり、麺類に加えて食べるといった工夫ができます。
そのままのきゅうりは、とくに食前に食べると食物繊維の効果によって、お腹を満たしてくれます。
ある程度空腹感が減ることで、食べ過ぎを防いでくれるので、ダイエット時にはとても役立ってくれるのです。
きゅうりを丸かじりする場合は、よく噛んで食べることで酵素の量を増やすことができるので、ぜひ咀嚼を意識して食べるようにしましょう。
すりおろしきゅうりダイエットの詳細と、おろしたきゅうりを使ったレシピは以下の記事でまとめていますので、よければご覧ください。
きゅうりの保存方法について
ラップやビニールに入れて、立てて保存する
きゅうりは熱や水に弱い野菜なので、まるごと1本の場合でも、そのままではなくラップやビニールに包んでから保存することをお勧めします。
温度が低くなりすぎるとビタミンCが壊れてしまうので、10~15度で野菜室に立てていれると、4~5日は美味しく食べることが出来ます。
冬場は冷蔵庫に入れる必要はないので、冷暗所の風通しがよい場所で保存すると良いでしょう。
なお、食べられる期間ですが、新鮮なきゅうりを買ってきたとしても冷蔵保存で長くて5~10日前後です。
一度切って、使い切れなかった分は、時間を置くとすぐに切り口から傷み始めてしまいます。
この状態からできるだけ長持ちさせるには、切り口にはラップをぴったりと張ってきちんと冷蔵保存すると悪くなるのを遅くすることができます。
包丁で切ってしまうと傷むのが非常に早くなってしまうので、早めに使い切ることをすすめます。
冷凍保存について
長く保存したい場合は、任意の厚さでスライスしてから水気を絞り、冷凍保存すると長期間持たせることができます。
解凍するときは冷蔵庫でゆっくりと戻すことで、サラダやマリネ、和え物などに使用することが出来ます。
水気を拭き取るときはキッチンペーパー等で包み、塩をひとつまみ加えてきゅうりを揉みます。
終わったらジップロックに入れて空気を抜き、冷凍庫に入れるだけでOKです。
塩を使って保存することで、シャキシャキとした食感が冷凍しても残ってくれるようになります。
きゅうりの栄養まとめ
きゅうりは栄養がない野菜とギネス認定されているものの、脂肪を分解してくれるホスホリパーゼを含んでいるためダイエットに役立ってくれます。
それに水分を多く含むため夏バテでも食べやすいという素晴らしい利点をもった野菜です。
生のままスライスすることで手軽に調理をすることができます。もう1品作りたい時にも活躍してくれる点では、栄養面の不名誉さをカバーできるのではないでしょうか?
カロリーも1本14kcalほどと大変低いため、ダイエット中でも安心して食べれる野菜というのも利点です。
きゅうりのダイエット効果については、以下の記事をご覧ください。
また、きゅうりと同じウリ科の食べ物には、夏に旬を迎えるスイカがあり、シトルリンを含む量はきゅうりを凌ぐと言われています。
夏は、みずみずしくおいしい野菜や果物がたくさん出回るので、夏バテ時こそ口にして欲しいですね。
現在夏バテに陥っているかわからない場合は、以下の記事の項目からチェックをすることが出来ます。危険度を確認できる項目もありますので、気になっている場合はぜひご覧ください。