夏バテをすると身体が疲れやすくなって食欲もなくなります。
そうなると夏場はついつい、麺類や冷たいものばかりに食生活が偏りがちですが、夏バテに効く食品や栄養素をご存知でしょうか?
きちんと身体の疲れを取り除いてくれる成分を知っていると、夏の暑さにも負けない身体を作ることに大いに役立ってくれます。
この記事では、夏バテに効果的な食べ物や栄養素についてまとめていきます。
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夏バテに効果的な栄養素
夏場に必要とされている成分には、ビタミンB群、とくにビタミンB1が欠かせない栄養素と言われています。
夏はあっさりとした麺類やアイスなどの冷たいもので食事を済ませてしまう場合も多いため、肉類や玄米などの食品に多く含まれているビタミンB1は不足がしやすいと言われています。
エネルギーを産むにはビタミンB群が必要不可欠です。
しかし、夏場は他の季節よりもエネルギーの量を多く必要としているにもかかわらず、夏バテによる食欲不振によってエネルギーを作るのに必要としている栄養素が、食事からきちんと取れていない事が多いのです。
身体には体温を一定に保とうとする機能が備わっているため、夏の高温の中、上がった体温を下げるために身体は血管を広げようとします。
血液が多く流れることを促すため、心臓の心拍数は増加し、汗で水分が減ることで血液の粘度も増えます。
すると、心臓への負担がさらに増えるので、エネルギーが必要となるのです。
汗によって失われる栄養素はナトリウムの他にも、カルシウムやマグネシウム、亜鉛、鉄などのミネラルも排出されています。
ビタミンB1は疲労の回復に不可欠ですが、他にもビタミンB群のひとつであるビタミンB2はビタミンB1の働きを助けてくれるので、一緒に摂取したい成分と言えます。
夏バテの解消に役立つ栄養素はいくつかありますので、まずは順番に1つずつ見ていきましょう。
ビタミンB1
糖質を分解し、エネルギーに変えてくれる働きがあります。
疲労やだるさを取り除く役割があるので、不足すると疲れやすくなったり、イライラを招いたりします。
水溶性ビタミンなので水に溶ける性質があり、3~4時間ほどで摂り過ぎた分は尿によって排出されますので、サプリメントなどで取り溜めをすることができません。
そのため、3食にそれぞれ分けて食べるのが一番いい摂取方法と言えます。
夏場は特に、ビタミンB1が汗で排出される量も多くなりますので、意識して摂取したい成分です。
<ビタミンB1が多く含まれる食品>
- 豚肉(ヒレ、もも、ロース、肩ロース、ばら、はつ、たん、レバーの順に多い)
- 玄米
- うなぎ
- 生ハム、焼豚、ロースハム、ロースベーコン、ベーコン
- たらこ
- すじこ
- いくら
- めんたいこ
- 枝豆
- 牛レバー
- ウインナー
- モロヘイヤ
- ブリ
ビタミンB2
ビタミンB2は、ビタミンB1といっしょに炭水化物をエネルギーに変えるのに必要になる成分です。
有害な過酸化脂質を分解するほか、夏場はうどんやそうめん、蕎麦などの麺類を食べる機会も増えますので、エネルギーへの変換をするためには、ビタミンB1の他にもB2の摂取は不可欠です。
ビタミンB1やB2が不足すると、炭水化物がエネルギーに変わらず脂肪になる原因ともなりますので、麺類などを食べる際には摂取して欲しい栄養素と言えます。
<ビタミンB2の含まれる食品>
- レバー(豚、牛、鶏の順に多い)
- うなぎ
- すじこ
- 納豆
- いくら
- たらこ
- たまご
- チーズ
- 牛乳
- モロヘイヤ
ビタミンB2は、そのまま食べられる納豆や卵、牛乳や乳製品に多く含まれているため摂取しやすい成分です。
ちなみに納豆菌はビタミンB2を作り出すので、納豆には多く含まれています。
クエン酸
クエン酸は梅干しやかんきつ類、酢に多く含まれている酸味の成分で、摂取することで疲労のもととなる乳酸を分解したりできにくくする役割をします。
クエン酸は夏場に一日で3~5gほど摂取すると良いと言われており、200mlのグレープフルーツジュースでおよそ2.6gのクエン酸が摂取できるといいます。
人間の身体にはクエン酸回路と呼ばれる機能があり、これは身体の中で糖質や脂肪がエネルギーに変わる時、ビタミンB1などが使われてエネルギーを作り出す仕組みです。
この機能が正常に保たれるにはクエン酸が必要となり、不足によってエネルギーがうまく作られなくなってしまうので、体力が必要な夏場には必須の成分と言えます。
<クエン酸が多く含まれる食品>
- レモン
- ライム
- 梅干し
- いちご
- キウイ
- グレープフルーツ
- パイナップル
- みかん
- オレンジ
- 酢
- アセロラ
- ハイビスカス
- ローズヒップ
クエン酸回路はクエン酸サイクルとも呼ばれ、糖質や乳酸、脂肪を分解してエネルギーに換えます。
糖質やタンパク質は体内で分解されてピルビン酸と呼ばれる成分になりますが、クエン酸サイクルの調子が悪いとピルビン酸は乳酸となります。
するとそれが血液の中にとけだして、血液が酸性に傾き疲労の原因となるのです。
疲労物質によって血液が酸性になると、筋肉が固くなり、痙攣や肩こりなどの原因になります。
この状態を改善するために、クエン酸を摂取することで、クエン酸サイクルが活性化されて乳酸が燃え尽き、疲労が回復されていくのです。
乳酸はピルビン酸に変わり、血液は酸性から弱アルカリ性へと戻っていきます。
ビタミンB6
ビタミンB6は食事から摂取したタンパク質や脂質の代謝を助け、免疫機能を維持する役割があります。
皮膚や粘膜を健康的に維持する働きもあり、夏場は胃腸の働きも弱りがちなので、欠かさずとっておきたい成分です。
主に動物性食品に多く含まれており、タンパク質を多く摂る場合は不足しないように注意が必要です。
<ビタミンB6を多く含む食品>
- まぐろ(びんなが、クロマグロ赤身・脂身、きはだ、めばち)
- かつお
- 鶏肉(レバー、挽き肉、ささみ、むね、手羽肉、もも など)
- 牛肉(レバー、もも、ランプ、ひれ、たん、バラ など)
- 豚肉(レバー、ひれ、ロース、もも、肩ロース、バラ など)
- 鮭
- サーモン
- あじ
- さんま
- 鯖
- いわし
- 納豆
- バナナ
- くるみ、落花生
- モロヘイヤ
- かぼちゃ
ビタミンB6にはホルモンバランスを整える作用もあり、幅広い食品に含まれますが、あまり偏食をしていると不足する可能性がありますので、バランスよく食べましょう。
ビタミンC
ストレスが溜まりやすい夏場には、免疫機能やストレスへの耐性を高めるビタミンCの摂取もお勧めです。
ストレスは多くなると自律神経の調子を狂わせ、血行を悪くし、夏バテにもつながるのです。
夏風邪の原因ともなるウイルスが侵入した時に、撃退する白血球の働きを助ける作用があります。
ビタミンCは美容効果でも大きく注目されていますが、紫外線を浴びた時などにもたくさん消費されているので、日差しが強い夏場にはとくに必要になる成分と言えるでしょう。
<ビタミンCを多く含む食品>
- パプリカ(赤、黄)
- アセロラジュース
- ピーマン
- ゴーヤ
- レモン
- キウイ
- 柿
- モロヘイヤ
- きんかん
- ししとう
- めんたいこ
- ブロッコリー
- ミニトマト
- オレンジ
- グレープフルーツ
- じゃがいも、サツマイモ
ビタミンA
ビタミンAには、目や肌の粘膜を健康的に保つ効果があります。
胃腸の粘膜の健康状態は夏バテによって弱り、また強い紫外線による活性酸素を除去する働きもビタミンAにはあります。
活性酸素は老化や身体のさまざまな不調の原因となるので、ビタミンAによって予防することが必要になります。
ビタミンAには種類があり、脂溶性ビタミンであるレチノールと、摂取した量が必要な分だけビタミンAに変換されるβカロテン(プロビタミンA)があります。
レチノールは動物性食品のみに含まれるのが特徴で、とった分だけ蓄積されてしまうので、とり過ぎには注意が必要です。
しかしプロビタミンAであるβカロテンは、不要な分は排出されてしまうため、扱いやすい成分となっています。
βカロテンは植物などに含まれる色素の成分のことで、にんじんやかぼちゃといった緑黄色野菜に多く含まれます。
<ビタミンA(レチノール)を多く含む食品>
- レバー(鶏、豚、牛)
- うなぎ
- たまご
- いくら
- チーズ(クリームチーズ、プロセスチーズ、カマンベールなど)
- サーモン
- まぐろ(脂身、赤身)
- たらこ
- 牛乳 など
<βカロテンを多く含む食品>
- モロヘイヤ
- にんじん
- かぼちゃ
- ツルムラサキ
- 小松菜
- 春菊
- ほうれん草
- バジル
- リーフレタス など
アリシン(硫化アリル)
アリシンはビタミンB1を吸収しやすくする特徴があり、にんにくやネギなどのニオイのもととなる化合物です。
体内でのビタミンB1の効果を長持ちさせる効果もあり、アリシンはビタミンB1と反応することでアリチアミンと呼ばれる物質をつくり出します。
アリチアミンは吸収力がいいので体内に取り込まれやすいですが、身体に入り込んだ後はビタミンB1に戻るので、アリシンはビタミンB1の吸収を促してくれるのです。
ビタミンB1は水溶性なので、通常であれば不要な分は排出されてしまいますが、アリチアミンとして身体に取り込まれることで、体内でゆっくりとビタミンB1とアリシンに分解されていきます。
その結果、通常より長時間ビタミンB1を体内にとどまらせることができるのです。
生のにんにくに含まれているのはアリインと呼ばれる成分ですが、にんにくを切ったり、加熱したりすると、組織が破壊されてアリシンに変化します。
にんにくをすりおろしたり、ネギを細かく切ったりすると、より細かいレベルで組織が破壊されるので、多くの酵素反応が生み出されて大量のアリシンが発生するのです。
アリシンには大腸菌に対する殺菌効果があるため、食中毒を予防する効果もあります。
<アリシンを多く含む食品>
- にんにく
- 長ネギ
- 玉ねぎ
- ニラ
- らっきょう
- あさつき
- エシャロット など
アリシンは加熱によっても分解されますが、水に溶けやすく、熱には弱いので、刻んだり潰したりするほうが効果的だとされます。
ただ、生のにんにくは一度に食べ過ぎると体の調子を悪くしますので、多くても一片くらいにしましょう。
加熱をするなら、油で調理をすることで、アリシンの成分が保たれます。
マグネシウム
マグネシウムは、体内でビタミンB群と共にエネルギー代謝に関わるミネラルです。
マグネシウムが不足することによって、体内のエネルギーが足りなくなって夏バテになる可能性も高くなります。
微量ですが、疲労の回復にも使われており、筋肉や神経を正常に保つためにも必要になる成分です。
<マグネシウムを多く含む食品>
- 納豆
- 油揚げ
- 豆乳
- あさり
- いくら
- すじこ
- はまぐり
- 牡蠣
- わかめ
- こんぶ
- ごぼう
- モロヘイヤ など
とくに大豆食品や魚介類、海藻に多く含まれます。
マグネシウムは筋肉の収縮作用もあり、不足によって筋肉のけいれんや震えといった症状が見られることもあります。
ストレスによっても消費され、精神を興奮を鎮める働きもあります。
カリウム
カリウムは、余分なナトリウムの排出を促して血圧を下げる作用があり、筋肉の収縮をスムーズにしたり、腎臓の老廃物の排泄を促す効果もあります。
通常であれば、食事をきちんととっていれば摂取できる栄養素ですが、カリウムは汗とともに失われてしまう成分なので、夏場は意識してとりたい成分と言えます。
不足すると低カリウム血症と呼ばれる状態になり、筋肉に力が入らなくなっていわゆる夏バテの「だるさ」が出るようになります。
<カリウムを多く含む食品>
- アボカド
- バナナ
- メロン
- スイカ
- キウイ
- 納豆
- にんにく
- モロヘイヤ
- 枝豆
- じゃがいも
- サツマイモ
- 里芋
- シソ
- たけのこ
- かぼちゃ
- ゆりね など
夏にはスイカや枝豆、モロヘイヤやかぼちゃが旬を迎えるのでおすすめの食べ物です。
⇒スイカの栄養素や効能を紹介!種や皮、黄色の成分は?妊婦への効果とシトルリンについて!
低カリウム血症には消化管の症状として、嘔吐や便秘などの症状が出ることもあります。
タンパク質
夏は暑さのおかげで代謝が上がり、発汗も多くなりますが、食事量が減ることで普通よりもタンパク質が不足しやすい状態となります。
通常であればお肉やお魚を食べていれば自然と摂取できるのですが、夏場にそうめんなどの麺類やアイスなどに偏りがちな場合は不足の心配があります。
タンパク質が足りなくなると、内臓の働きの衰えや、疲労が蓄積されて疲れやすくなり、夏バテへつながるのです。
体内で吸収率が高いタンパク質は肉や魚などの動物性たんぱく質で、97%の高い吸収率を誇ります。
逆に植物性たんぱく質である大豆などの食品は、吸収率が84%なので、単純にタンパク質を多めに摂取したいときは肉や魚を選ぶと良いでしょう。
<動物性タンパク質を多く含む食品>
- 牛肉
- 豚肉
- 鶏肉
- 魚
- 卵
- 牛乳
- チーズなどの乳製品
<植物性タンパク質を多く含む食品>
- 豆腐
- 納豆
- 枝豆
- おから
- 大豆 など
動物性たんぱく質に吸収がいいという利点がある一方、植物性たんぱく質は、消化に負担がかからないという部分や、納豆や豆乳など栄養価の高い食品が多いという利点があります。
そのため、片方ばかりを食べるのではなく、食事では植物性と動物性をバランスよく食べることを勧めます。
DHAとEPA
夏に食べられることで定番になっている鰻には、DHAやEPAといった身体にいい脂肪酸が多く含まれています。
EPAを含む魚油は、血液中の赤血球の柔軟性を高めて、細い血管まで血液を隅々まで行き渡らせることができます。
スムーズに酸素が届けられるようになるので、肺や心臓などの負担が軽くなって疲労感を軽減させることができるのです。
夏場では大量に汗をかいたり、冷房によって身体が冷えたりすると、血の巡りに問題が出てくることがあります。
血流に滞りが見られると、身体の温度を適切に保つことができなくなり、夏バテを招きやすくなるのです。
これに対してDHAやEPAを摂取すると、EPAは血栓(血流の緩慢や水分不足などが原因でできる固まり)と呼ばれる、ドロドロ血液の原因を解消してくれる効果があります。
EPAは血栓の生成を抑制して、血液がサラサラと流れやすい状態にしてくれるのです。
また、DHAには固くなってしまった血管を柔らかくして、血を流れやすくする作用があります。
血液には体温調節のほか、栄養やエネルギー、酸素などを全身に運ぶ役割があるため、血流が良くなることによってあらゆる身体の不調の改善につなげることができるのです。
<EPAが多く含まれる食品>
- マイワシ
- マグロ
- 鯖
- ブリ
- サンマ
- うなぎ
- さけ
- アナゴ
- アジ など
<DHAが多く含まれる食品>
- マグロ
- ぶり
- 鯖
- サンマ
- うなぎ
- マイワシ
- ニジマス
- 鮭
- アジ
- アナゴ
- カツオ
- マダイ など
DHAはEPAから作られるので、EPAが入っている食品さえ摂取していれば両方とも不足することはないと言われています。
どちらにしろ、入っている魚は似通っているので、青魚を食べるようにすれば、自然と両方摂取できると言えます。
カルシウム、亜鉛、鉄
汗で失われるカルシウムや亜鉛、鉄といった成分も身体に必要なミネラルです。
カルシウムには筋肉の収縮をスムーズにする作用があるので、不足すると、筋肉のけいれんを引き起こしたりします。
亜鉛は細胞の新陳代謝をうながしたり、免疫力を高める作用がありますので、夏バテのほか、夏風邪の予防にも必要になるミネラルです。
鉄分は赤血球の成分であるヘモグロビンの生成に関与し、血液中で酸素を身体の隅々まで運ぶ役割があります。
鉄が不足することによって、酸素が十分に身体に行き渡らなくなるので、貧血や夏バテを引き起こしやすくなるのです。
汗を大量にかく夏場は、鉄分も外に排出されやすくなりますので、食事からきちんと摂取しなければなりません。
<カルシウムを多く含む食品>
- チーズ(プロセスチーズ、カマンベールなど)
- しらす
- わかさぎ
- めざし
- 油揚げ
- モロヘイヤ
- 小松菜
- 厚揚げ
- 牛乳 など
<亜鉛>
- 牡蠣
- 牛肉(レバー、肩、肩ロース、ひき肉、ひれ、もも など)
- たらこ
- ほや
- うなぎ
- チーズ(プロセスチーズ、カマンベールなど)
- しじみ
- いくら
- 納豆 など
<鉄>
- レバー(豚、鶏、牛)
- しじみ
- あさり
- 納豆
- 枝豆
- 小松菜
- たたみいわし
- めざし
- はまぐり
- いくら
- ほや
- すじこ
- たまご など
夏バテに効く食べ物
にんにく
にんにくは夏バテ対策には定番の食べ物として知られています。
夏にはかかすことのできない、疲労回復を促すビタミンB1と、そのビタミンB1の体内での吸収率や持続力を上げてくれるアリシンが一緒に含まれているのです。
にんにくは油を使った料理として食べることで、吸収がされやすくなる特徴があるので、スタミナが付く豚肉のソテーや、ビタミンAの含まれている野菜といっしょに軽く炒めた料理がお勧めです。
ビタミンAも脂溶性ビタミンなので、油との相性がよく、効率的に摂取することが出来ます。
モロヘイヤ
モロヘイヤは、栄養バランスにおいて、数ある野菜の中でも優れた成分を持っている食品です。
葉物野菜には代表的なものに小松菜やほうれん草がありますが、モロヘイヤはそれらを凌ぐ高い栄養価を持ち、先に紹介したビタミンAやビタミンB1・B2・B6に加え、ビタミンCやカルシウム、マグネシウムやカリウムもたっぷりと含んでおり、夏バテ対策にバッチリと活躍してくれる夏野菜です。
夏の時期に旬をむかえるので、おひたしなどにしてぜひ食べていただきたい野菜です。
うなぎ
うなぎは夏バテに最適な食べ物として、あげられる食品です。
血液の循環をよくしてくれるDHAとEPAに加え、夏バテ予防には欠かせないビタミンB1やビタミンB2、粘膜を正常に保ってくれるビタミンA、カルシウム、亜鉛なども豊富に含みます。
魚なので、タンパク質も一緒に摂取できます。
メインのおかずとして成り立つ食品の中では、ビタミンやミネラルの栄養価がとても優れており、血の巡りをよくしてくれるビタミンEもたっぷりと含んでいます。
ただ脂肪分が多いので、毎日食べるのではなく、栄養が不足しがちなときに摂取するのがお勧めです。
枝豆
枝豆は手軽につまめる食品として夏の定番ですが、夏バテ予防に効果的な成分が多く含まれています。
ビタミンB1やビタミンCなどのビタミンのほか、亜鉛や鉄分、カリウムやマグネシウムの他、ヘモグロビンが正しく作られるのに欠かせない葉酸がたっぷりと含まれています。
また、鉄分を必要な場所に運ぶための役割をする銅も十分に含まれており、塩茹での枝豆にはアルコールを分解してくれる作用があると言われているので、おつまみにも最適な食品です。
枝豆のビタミンCはさやによって守られているので酸素に触れにくく、水溶性のビタミンCが水へ溶け出す量が減り、茹でた時の加熱によっても壊れにくいという利点があります。
スイカ
スイカは果物の中でもとくにカロリーが低く、夏バテの時でも口にしやすい食品の代表です。
ビタミンAやビタミンCの他、スイカがとくに多く含むと言われるシトルリンという成分が、血管を広げて血流を改善してくれる効果があります。
血の巡りをよくすると、あらゆる不調の改善につながりますが、シトルリンは脳の血液量を増やしてやる気を上げてくれるとも言われています。
また、スイカの詳しい成分やカロリーについては、以下の2つの記事で紹介しています。
ひとつ目の記事では夏場により効率的にスイカの栄養素を活かす方法や、種や皮、黄色いスイカの成分など、より深く掘り下げた内容となっています。
⇒スイカの栄養素や効能を紹介!種や皮、黄色の成分は?妊婦への効果とシトルリンについて!
ふたつ目の記事では、太らない量で食べるスイカの量や、4分の1などのスイカのカットやサイズごとのカロリーについて詳しくまとめています。
⇒スイカのカロリーは高い!?太る量と一玉の糖分はどのくらい?ジュース、4分の1、8分の1…
トマト
トマトも夏に旬を迎える野菜ですが、ビタミンCやビタミンA、ビタミンEの他、カリウムなどのミネラルも含まれている野菜です。
トマトの酸味には胃液の分泌を促す作用があり、食欲を増やして、夏バテによる疲労回復に役立ってくれます。
トマトにはアルコールを摂取しすぎた時、胃のむかつきを抑制してくれる効果もあります。
含まれるカリウムが体内の不要な塩分を排出してくれるので、高血圧の場合でも食べて欲しい野菜と言えます。
また、トマトに代表される成分にはリコピンがあり、この成分はβカロテンの2倍、ビタミンEの100倍の抗酸化作用があると言われており、身体の不調の原因となる活性酸素の除去に役立ってくれます。
リコピンは、紫外線によってシミなどの原因となるメラニン色素の生成を抑えてくれるので、美白効果を期待することもできるのです。
トマトからリコピンを摂取したいときは、油で加熱すると吸収率がより高まると言われていますので、付け合せの際にも油とともに火を通すとより効果的です。
トマトジュースやトマトソースにするという手段もあります。
リコピンは皮の部分に多く含まれているので、普通のトマトよりもミニトマトのほうがリコピンの含まれる量が多いと言われています。
グレープフルーツ、レモン、キウイなどのかんきつ類
レモンなどのかんきつ類は免疫機能の改善に繋がるビタミンCや、疲労回復効果のあるクエン酸を一緒に含んでいる食品です。
夏場であっても、オレンジやグレープフルーツ、キウイなどは手軽に購入できるので、夏バテの予防のために非常におすすめの食べ物となっています。
スッキリとした後味から夏の食欲不振の時でも比較的手を出しやすい食べ物で、酸味成分によって食欲を増やしてくれる効果もあります。
生で食べられるので手軽な上に、水分も含まれていますので、夏バテ時にもおすすめです。
納豆
納豆は大豆食品として日本でも親しまれている食品ですが、ビタミンB1やビタミンB2、ビタミンB6、鉄やマグネシウム、カリウムといった成分を含んでいます。
ビタミンB1はアリジンによって吸収が高まるので、ネギなどを刻んで一緒に食べるのがお勧めです。
納豆には、血栓を予防する効果があるナットウキナーゼと呼ばれる成分があり、血液をサラサラにして体内で約8時間効果が持続してくれると言われています。
血液が固まりやすく血栓ができやすいのは、深夜から早朝までの筋肉が動かない間(寝ている間)なので、納豆は夕食に食べると良いでしょう。
他にもデスクワークなどが多い場合は摂取をお勧めしたい食品と言えます。
カロリーも低く、良質な大豆たんぱく質を得られるので、内臓の働きを正常に保つためにも役立ってくれます。
豚肉
豚肉は、夏バテの改善にもっとも必要とされているビタミンB1を多く含む食品の代表です。
同じように、ビタミンB1を含むおかずとして使える食品にうなぎがありますが、うなぎは栄養価が高い分、脂身が多いので、習慣として食べるのには少し向いていません。
しかし、豚肉であればもも肉やヒレ肉といった、高タンパク低脂肪な使いやすい部位もありますので、夏バテの予防にぜひ役立てて欲しい食品と言えます。
豚肉にはビタミンB1の他にもビタミンB2・B6、カリウムや亜鉛、マグネシウムなどの豊富なミネラルが含まれています。
脂肪が少ないヒレやもも肉を選べば、身体を作るための十分なたんぱく質を摂取することもできますので、夏バテ予防には初めに取り入れるべき食材です。
使い方としては、ビタミンB1の吸収率を高めるために、にんにくと一緒に焼くのがいいでしょう。
お肉だけでは栄養が偏りますので、付け合せに旬の野菜として、トマトやきゅうりなどのサラダ、モロヘイヤとなめこの和え物などもさっぱりとしてお勧めです。
食材を選ぶポイント
季節の食材を利用する
旬の食材には、栄養価がたっぷりと含まれており、βカロテンやビタミンCなどの量が通常よりも多いのです。
味にも旨味や濃さがあり、鮮度も良くて価格も手頃で購入できるという利点があり、毎日の食事に取り入れやすいです。
味がいいと、調味料が少なめでも美味しく食べることができるので、ついついとりがちな塩分や糖分の多量摂取を予防することもできます。
<夏に旬を迎える野菜>
- 枝豆
- オクラ
- かぼちゃ
- ししとう
- いんげん
- とうもろこし
- トマト
- ナス
- にんにく
- ピーマン
- モロヘイヤ
- みょうが
- ツルムラサキ など
<夏に旬を迎える果物>
- 梅(梅干し)
- キウイ
- スイカ
- なし
- メロン
- 桃
- ブドウ
- パイナップル
- 夏みかん
- マンゴー
- ゆず など
<夏に旬を迎える魚>
- アナゴ
- スズキ
- ウナギ
- イワシ
- あゆ
- カジキマグロ
- かます
- はも など
<夏に旬を迎える魚介類・海藻>
- スルメイカ
- うに
- クルマエビ
- しじみ
- 昆布
- ほや など
麺類は冷やし中華が良い
夏場はのどごしの良い麺類に食事が偏りがちですが、そばやうどん、そうめんであると単品で終わってしまうことがほとんどです。
夏に麺類を食べるときは、冷やし中華なら麺の上にきゅうりやトマトなどの夏野菜のほか、卵やハム、エビなどを乗せて簡単にバランスよく食べることが出来ます。
もちろん、そうめんやうどんなどではダメなのではなく、つけ汁に薬味をたくさん入れたり、野菜を盛り付けたりといった作り方もあります。
おかずに少しだけ豚肉をつけるなどの工夫でもいいでしょう。
レシピをいくつか紹介しますので、参考にしてください。
*豚肉を使ったおすすめレシピ一覧(クックパッド)*
【冷やし中華】
ボリュームアップ!冷やし中華 by mayu917
【うどん】
冷やしプチプチおろしうどん by マロニー
【そうめん】
夏野菜たっぷりそうめん by マルゼン薬局*栄養士
夏バテを解消する食べ物まとめ
夏バテによって不調が続いている場合、摂取しなければならない栄養素の不足が考えられます。
麺類を選ぶときは、単品で食べるのではなく野菜や豚肉をプラスしたりといった工夫をすることが大切です。
アイスや冷たい飲み物などは、とりすぎによって胃腸の機能が弱まり、夏バテが進行する原因となりますので、飲み過ぎに注意しましょう。
また、自分が夏バテにかかっているかわからない時は、以下の記事のチェック項目で確認してみましょう。
⇒夏バテ症状をチェック!吐き気の症状への対策は?下痢や眠気の解消法!
点数で夏バテの危険度が分かる項目も準備されていますので、興味がありましたらぜひご覧下さい。
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<熱中症記事>