夏風邪はウイルスに感染することによって起こり、高熱や咳、下痢や腹痛といった症状を引き起こします。
夏風邪のウイルスは高温多湿を好みますが、多くの夏風邪では咳の症状を伴います。
咳は夜に出ると、なかなか寝付くことが出来ず、免疫力が下がって夏風邪が長引く原因となります。
今回は、夏風邪による咳を治す方法と、咳止め薬について書いていきます。
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咳の症状の原因
咳が出る原因は、気道の中に異物が入ってくるのを防いだり、気道に入ってしまった異物を排除するために出るようになります。
つまりは、不必要な異物から身体を守ろうとして咳といった症状として現れるのです。
喉や器官に炎症が起こっていると、痰などの分泌物が増えて、それを排除しようとして咳が出やすくなるのです。
夏風邪は身体に疲労が溜まっていたり、寝不足が続いていたり、栄養摂取が十分ではなかったりするときにかかりやすくなります。
身体の抵抗力が弱まっていると、感染したウイルスに対抗することが出来ず、風邪としての症状が現れるのです。
夏に流行るウイルスごとの特徴については、以下の記事でまとめています。
⇒夏風邪の症状と特徴について!大人と子供の高熱や鼻水、頭痛、咳など
夏風邪のウイルスが引き起こす症状は、咳や発熱、腹痛、下痢、のどの痛みなどといった状態です。
下痢になると、栄養や水分を摂取しても排出されてしまうので、とくに脱水症状には注意しなければなりません。
咳は夜眠ってから悪化することも多く、寝不足によってさらに夏風邪への免疫力が落ちます。
咳き込むと体力も消耗するので、免疫力がなかなか元に戻らないことで夏風邪が長引く原因となるのです。
夜の咳はとくに気をつけたい症状なので、早めに治すことが夏風邪の改善につながります。
咳の治し方
免疫力の回復をする(眠る、水分補給、栄養をとる)
夏風邪にかかってしまうのは、身体の免疫力が低下していることが第一にあげられるので、まずはきちんと休んで体力の回復をすることが一番大切です。
着心地の良い服で、布団の中でしっかりと眠りましょう。
⇒夏風邪の治し方!喉の痛みや咳、鼻水の原因はクーラー!?子供や幼児の場合は?寝る時の工夫
水分補給は忘れず行ってください。夏場は汗もかく上に、夏風邪では下痢などの症状が見られるので、脱水症状を引き起こしやすいのです。
食欲が無い時に、食べ物を無理して食べなくてもいいですが、食べたい場合は消化に良いおかゆやすったリンゴなどがいいでしょう。
食欲があるなら栄養バランスよく食べるのもいいですが、のどの痛みを感じている時におすすめの食べ物は、以下の項目で詳しく説明しています。
寝るときは咳止めを飲む
夜寝ている時に咳が出ると、寝付けない原因となって寝不足を引き起こし、免疫力がなかなか回復しない原因となります。
総合の風邪薬よりも、咳止め専用の薬をのむのがオススメです。
種類としては、錠剤やシロップタイプのものなど、効果は個人差がありますので、自分に合った薬を選択するのが良いと言えます。
寝ている時の咳は体力を思っているよりも消費しますので、咳止めの服用でリラックスした眠りを得ることも回復には大切なことです。
※夏風邪に多い下痢の症状についてですが、夏風邪のウイルスが引き起こす下痢に下痢止めを使うことは勧められません。
夏風邪のウイルスは高温多湿を好み、お腹の中で増える特徴があるため、下痢は体の中のウイルスを排出しようとして引き起こされています。
この状態で下痢止めを使ってしまうと、ウイルスが長い間身体の中に留まる原因となって、夏風邪が長引く原因となるのです。
自宅療養でもなかなか治らず、症状がひどい場合は、下痢にかぎらず医師の診察をうけることをお勧めします。
埃をとりのぞく
咳は空気中の埃などの異物が気道に入ると起こるため、空気清浄機などで空気の異物を排除すると咳が軽くなることがあります。
こまめな掃除を行うことで、埃を除去することもできますので、咳を抑えることにもつながるのです。
埃が少なければ咳が悪化する原因を取り除くことが出来ますので、自然と予防にもなります。
首の周りを温める・マッサージを行う
寒気がするときは、大椎(だいつい)というツボを温めると咳を止める効果があると言われています。
首を前に曲げた時、背中の出っ張る骨の下のくぼみの部分が大椎です。
咳止めの他にのどの痛みなどの症状の改善に役立てることが出来ます。
首を温めると喉の内部も温めることができるので、冬場であればカイロなどで温めることも有効ですが、夏風邪の場合ネックウォーマーやタオルなどを巻いてもいいでしょう。
また、以下のようなマッサージ方法を行っても、咳を止めることに効果があります。
<咳止めのツボマッサージ>
動画の中で解説されていた、腕の関節のツボは尺沢(しゃくたく)と呼ばれ、ひじの内側の横じわの上のあたりにあります。
鎖骨の間のくぼみは天突(てんとつ)と呼び、指圧によって咳をとめて喉の痛みを和らげる効果があるのです。
(ちなみに、尺沢のツボから指四本分くらい下には孔最(こうさい)と呼ばれるツボがあり、こちらも強めに指圧することで咳止めに効果があります。)
これら3つのツボは、それぞれ咳を止めるのに効果があるツボなので、覚えておくと咳で困ったとき役立てることができるでしょう。
ハチミツを摂取する
ハチミツに含まれるフラボノイドという成分には、炎症を和らげたり、殺菌をする効果があります。
痰も切れやすくなる上、のどの痛みを軽くしてくれますので、飲みやすい温度のお湯で割るなどで摂取するのがお勧めです。
※大人は安全ですが、ハチミツにはボツリヌス菌と呼ばれる菌が含まれていることがあるため、腸内細菌が少ない1歳以下の子供には与えないようにしましょう。
パイナップルを食べる
パイナップルに含まれているプロメラインという成分は、喉の炎症に効果があると言われています。
プロメラインはたんぱく質分解酵素で、慢性気管支炎などの治療薬にも使われ、喉に絡まった痰を分解し排出しやすくする効果があります。
酵素は熱に弱い性質をもつので、加熱によって効果がなくなってしまいます。
そのため、生で食べるかストレートジュースで飲むことをお勧めします。
痰が絡む時
痰の色
夏風邪にかかった場合、初期の症状として咳を感じることは多いですが、もし痰が出る咳であった場合は、一度痰の色をチェックしてみることをお勧めします。
もし黄色っぽい色や、緑と黄色の中間のような色をしている痰が出てきた場合は、細菌感染していることが疑われます。
細菌感染している痰は黄色くなり、喉に細菌が感染することで、身体の免疫は菌を追いだそうとして白血球などが使われるようになります。
すると、細菌を囲った細胞や白血球が痰として出てくるようになるのです。
痰が黄色い場合は、夏風邪がかなり悪くなってしまっていると言えます。
一番良いのは、痰が透明なうちに、今より細菌に感染しないようにしたり、身体の免疫力を上げて菌に負けない身体にしておくことです。
夏風邪をひいたと思ったら、必要以上に外を出歩かず、身体を冷やすつめたいものは食べないようにしましょう。
栄養のあるものを取り入れるようにして、きちんと眠って身体を休めるのが大切です。
夏風邪のウイルスはお腹の中で増えるため、冬風邪とくらべて長引きやすく、体の外へウイルスを排出し切るのにだいたい1ヶ月くらいかかると言われています。
痰が透明なうちはまだ夏風邪も進行し切っていませんので、喉のイガイガ感があるうちに対処するのが良いと言えます。
腸に感染する夏風邪のウイルスは、冬のウイルスと比べてお腹に症状が出やすいという特徴があります。
下痢や腹痛のほか、喉の痛みも出ますので、食べ物を取り入れるのが辛くなってしまうこともあります。
しかし、夏の場合は汗もたくさんかくため、脱水症状が起きやすいので水分だけは意識して摂取するようにしましょう。
のどの痛みがひどい場合は、口当たりがやわらかいゼリーやおかゆ、すりりんごなどを食べると、喉の炎症に刺激を与えないのでオススメです。
細菌感染の痰とウイルス感染の痰
冬の風邪でもそうですが、痰の色によって細菌に感染しているか、ウイルス感染による痰かが分かります。
<風邪ウイルスによる痰>
- 咳で痰が切れる程度の粘り気
- 色は透明
<細菌感染による痰>
- 粘り気があり、咳の時間が長くて痰が切れにくい
- 痰の色は黄色
黄色い痰が見られるようになったら、二次感染として、ウイルスではなく細菌に感染したことがわかります。
黄色い痰は細菌感染の状態から、症状が悪化することもありますので、痰の粘り気や色に変化が見られた場合は、早めに病院に行くと安心できるでしょう。
黄色い痰は飲み込んでしまってもそのまま消化されますが、菌をからめとっているのでやはり身体にいいものではありません。
他の呼吸器系統に悪い影響をおよぼす可能性もありますので、できるだけ身体の外へ出したほうがいいでしょう。
乾燥すると痰が切れなくなりますので、冷房をつけている場合は湿度に注意しましょう。
熱すぎない程度のお湯をゆっくりと飲むと、痰がやわらかくなって切れやすくなります。
痰が長引く時
痰も咳と同じで、体内のウイルスを出そうとして絡むようになります。
しかし、長引く場合は気管支炎や夏型過敏性肺炎など、別の病気になっている可能性も考えられます。
痰の色が無色透明からだんだん粘度の高い黄色になり、回復に向かっていくうちに緑色になっていくこともあります。
一概には言えず、緑色の痰が出ている場合は結核の恐れなどがあるので、心配な場合は耳鼻咽喉科を受診することを勧めます。
エンテロウイルスに感染すると、急性気管支炎による痰や咳、くしゃみといった症状が現れます。
エンテロウイルスはくしゃみなどの飛沫感染のほか、ウイルスが付いた手に触れるなどからの接触感染、便などからの感染もあります。
なお、大人が夏にかかりやすいライノウイルスは、高熱や鼻水は出るものの痰や咳はあまり出ないという特徴があります。
また、痰に血がまじるなどの異常が現れた場合は呼吸器系の病気にかかっている可能性があるので、病院での診察を受けましょう。
痰に効く治療薬
夏風邪はウイルスが原因となっているので、そのウイルスに効く特効薬というのはほとんど存在しません。
そのため、治療するとしても根本治療ではなく、症状に対して、辛さを和らげるといった対症療法になることがほとんどです。
病院に行くほどではなくても、症状を軽くしたい場合は、市販で購入できる痰にきく成分が入った薬を活用しましょう。
<痰に効く成分>
- L-カルボシステイン:痰を出しやすくしてくれ、痰の粘り気を軽減する痰切りの薬としてよく使われます。痰が大量に絡むと、肺や気道に詰まって呼吸に支障が出てしまったり、肺や気道にばい菌が留まってしまうので、肺炎や気管支炎になりやすくなります。痰が肺の中に落ち込むと、ばい菌が増殖して肺炎や気管支炎の原因となりますので、痰は積極的に身体の外に排出したほうが良いと言えます。
痰はもともと肺や気道などから分泌されている粘液のことで、健康な人なら胃に自然と落ちていきます。
しかし、病原菌に肺や気道が侵されると、身体は病原菌を外に出そうとするので粘液の量が増えます。
すると喉に痰がからむ状態になってしまうのです。
カルボシステインは、痰を出しやすくして粘性のある痰を切れやすくするように助けてくれます。
痰に効く食べ物
痰の切れをよくしてくれる食べ物には、大根があります。
<痰に効く食品>
- 大根:大根に含まれている消化酵素ジアスターゼの効果で、消化を促すだけでなく、肺の熱をとり咳や痰を鎮めてくれる効果があります。酵素は加熱すると効果がなくなってしまうので、大根おろしとして、生で食べるのがオススメです。
また、大根の汁にハチミツを混ぜて飲むと、炎症を抑える効果によって痰が切れやすくなり、喉の腫れにも効くので、激しい咳を抑えてくれる効果も期待することが出来ます。
痰を止める方法
湿度に注意する・水分を摂る
咳は痰を出そうとするために起こるので、痰を出しきってしまえば咳も早く止めることが出来ます。
気道が乾燥していると痰を出しにくくなってしまうので、こまめな水分補給を行い、湿度が低くなり過ぎないように注意することが大切です。
夏場の場合、もともと空気が湿っているので冬と違って乾燥はしにくいです。しかし冷房をかけている場合、大きなビルの中にいたり、家庭でもずっと部屋を締め切っていると乾燥が進み、20%以下になることもあります。
熱中症の心配もありますので冷房は必要ですが、ときには換気を行ったりして乾燥を防ぐようにしましょう。
咳を出にくくし、痰が出しやすい湿度はだいたい60~80%くらいで、湿度を上げ過ぎると今度はカビやウイルスが繁殖しやすい環境となってしまうので注意しましょう。
<湿度を上げる工夫>
- 加湿器を使う
- 換気をする
- 濡れたタオルやバスタオルを干す
- やかんを火にかける(蒸気で湿度が上がる)
温かい飲み物を飲む
夏風邪の時でも冷たいものを食べると、喉が冷えるので、甲状腺の働きが弱まって免疫力が落ちてしまいます。
なので咳や痰の症状を軽くするために喉を温めることも大切です。
のどが潤うことで痰も出やすくなり、蒸気による加湿効果を得ることもできます。
ただ、熱すぎる飲み物は粘膜を傷つけますので、痰の分泌量を増やしてしまう結果となります。
飲みやすい温度の温かいお茶などをゆっくりと飲むと良いでしょう。
咳止め薬を飲む
痰が絡んだ咳である場合、去痰成分や気道を拡げる成分が入ったものを選ぶのがポイントです。
(逆に痰が絡まない咳である場合は、咳中枢に直接効果がある鎮咳薬を使うと良いでしょう。)
店頭などで薬剤師さんに相談するときは、痰が出ることを伝え、咳がいつから出ているか、ほかに夏風邪の症状があるかなどを伝えて、合った薬を選んでもらうのが確実です。
食事内容を改善する
アルコールが入った飲料や辛いものなど、刺激物を摂取すると喉から水分を奪うので、痰を増やす原因となります。
痰が増えることで、排除しようとする咳の量も増えることになりますので、痰が絡んでいる時の刺激物の摂取は控えましょう。
先に紹介したような大根は喉に良く、大根の辛味成分やアリル化合物には抗炎症作用や殺菌作用があり、のどの痛みを鎮めてくれる効果があります。
咳止め薬について
咳に効く市販の薬を紹介します。
痰の切れをよくしたり、取り去ってくれる薬もありますので、自分に合った薬を選んでみてください。
必ずしも、絶対に咳が治るということを保証できるわけではありませんので、その点については了承の上ご覧ください。
シロップタイプ:セキセチン(咳・たん)
【第(2)類医薬品】セキセチン咳止め 100ml |
せきやたんに効果があるシロップタイプの咳止めで、生後3ヶ月以上から服用が可能です。
大人はもちろんですが、子供でも飲めるように甘みがあるタイプの咳止めシロップなので、小さな子供でも飲みやすいです。
咳を鎮め、のどにからまる痰を薄めて排出しやすくしてくれます。
液剤:アネトンせき止めZ液(咳・たん)
【第(2)類医薬品】アネトンせき止めZ液 100ml 【532P15May16】 |
アネトンせき止めZ液は、あらゆる原因で起こる咳を軽くし、痰を薄くして切れをよくする薬です。
咳を起こす神経や気管支などに作用することで、咳を出にくくする効果もあります。
爽やかさのあるレモンティー風味で、幅広い年齢の人が使うことができる薬です。
子供でも比較的飲みやすく、こちらも生後3ヶ月以上から服用が可能です。
シロップ剤:新ブロン液エース(咳・たん)
(005)【第(2)類医薬品】お一人様1個限定新ブロン液エース 120mL |
気管支をつかさどる咳嗽中枢(がいそうちゅうすう)と呼ばれる神経に作用する成分が市販薬の中では最も多く含まれています。
ジヒドロコデインリン酸塩という成分で、苦しい咳が出るときやたんが絡むときに合う薬です。
グアイフェネシンと呼ばれる成分も含まれており、これは気管支筋の緊張を和らげて呼吸を楽にしてくれます。
グアイフェネシンは気道粘膜の分泌機能を高める作用もあり、粘度の高い痰が絡んだ時にもうすめて排出を促してくれます。
こちらは服用が8歳からなので注意です。
カプセル:コンタックせき止めST(咳、たん)
【第2類医薬品】コンタック せき止め ST(24カプセル)【コンタック】【送料無料】 |
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コンタックシリーズの中でも、咳止めに特化したカプセルになります。
カプセルを一回に1カプセルだけ飲むことで、12時間効果が持続するので、ついつい薬をのむことを忘れがちな場合でもおすすめできる咳止めです。
ジプロフィリンが収縮した気管支を広げてくれるので、咳をしずめて、たんを出しやすくしてくれるのです。
こちらは15歳未満は服用できませんので、ご注意ください。
錠剤:ベンザブロックせき止め錠(喉の痛みを伴う咳・たん)
【第(2)類医薬品】【武田薬品】ベンザブロック せき止め錠 36錠 【RCP】【hl_mdc1216_benza】【P06May16】 |
たんを除去してくれる成分と、喉のいたみや腫れを抑えてくれるトラネキサム酸が配合されています。
メントールが入っているのですっきりとした服用感があり、シロップが苦手な場合は錠剤タイプなのでおすすめできるといえます。
こちらは6歳以上の小学生から服用することが出来ます。
カプセル:ストナ去痰カプセル(痰、痰のからむ咳)
ストナ 去たんカプセル 18カプセル 佐藤製薬 【第2類医薬品】 |
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L-カルボシステインが配合されており、痰の通りをスムーズにしてくれます。
塩酸ブロムヘキシンは痰をサラサラにする効果があり、たんの絡む咳にも効果があります。
こちらは8歳からの服用が可能です。
ソフトカプセル:パブロンSせき止め(咳、たん)
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ブロムヘキシン塩酸塩が配合され、辛い咳やたんの症状を軽くしてくれます。
中身は液状になっているソフトカプセルタイプで、抗ヒスタミン薬や鎮咳薬のノスカピンなどが、ひどい咳の症状や切れにくい痰に効果を発揮します。
こちらも8歳からの服用が可能で、子供でも飲むことが出来ます。
子供がかかる夏風邪の咳について
夏風邪で咳を症状として引き起こすウイルスは、アデノウイルスやエンテロウイルスなどのウイルスが原因となって引き起こされます。
身体の中のウイルスを外に排出しようとして、咳が症状として出ます。
夏風邪のウイルスは感染することで気道が炎症を起こし、咳がひどくなることが多いです。
咳に対してすぐに治す事ができる治療薬は存在しないため、子供が服用できる咳止めの薬などで症状を軽くすることはできます。
とくに夜、咳が出るとなかなか寝付くことが出来ず、免疫力の回復も遅れるため、咳は早めに鎮めることが大切です。
眠れなくなるくらい症状が酷くて、市販薬ではあまり効果がない場合は、早めに病院で薬をもらうほうが確実と言えるでしょう。
睡眠をとって体力を温存し、栄養を摂取し早く治るようにするのが咳や夏風邪を治す一番の方法です。
のどの痛みには、お湯に溶かしたハチミツドリンクなども効果的です。
(※一歳未満には、ボツリヌス菌の心配があるのでハチミツはNGです。)
水分補給はこまめに行い、汗をかいているときは着替えをすると、べたつかず眠りの質が良くなります。
喉の痛みがひどくて、食べ物が喉を通らない場合は、飲み物で栄養補給をするように工夫をすることもできます。
夏風邪では高熱も出ますので、脳への影響を心配する方もいるようです。
しかし、発熱は身体がウイルスを退治しようとして起こる症状なので、熱があっても元気なら様子を見てみましょう。
咳が長引く場合の、別の病気の疑いについて
夏風邪の症状のうち、咳だけが長引いている場合は夏風邪以外の病気が原因になっている可能性があります。
咳喘息や百日咳、夏型過敏性肺炎を疑いましょう。
咳喘息
咳が慢性的に続いてしまう気管支の病気を咳喘息と言います。
ヒューヒューとした喘息特有の苦しさはないそうですが、埃やダニ、ハウスダストが原因となって引き起こされることがあります。
エアコンの冷房などで、室内と外との気温差が激しかったり、たばこの煙が影響していることもあり、明け方に咳き込むことが多い病気です。
咳喘息から普通の喘息につながることもありますので、早めの治療を心がけましょう。
百日咳
百日咳菌という細菌に感染すると引き起こされる病気です。
咳が短く、連続的な特徴があり、「コン、コン」といった感じの咳が続きます。
息を吸い込んだ時に、喉の奥のほうで「ヒュー」という、笛を吹いたような音が聞こえることもあります。
その名の通り治るまでに100日(3ヶ月)以上かかることがあり、1歳以下の乳幼児がかかることが多い病気です。
夏型過敏性肺炎
夏場の湿度が高く、ジメジメとして日当たりが悪い場所に発生するカビが原因で引き起こされる病気です。
カビの名前はトリコスポロンと呼び、寝具やキッチン、トイレやエアコンの中などの湿気が多い場所に発生します。
カビに対するアレルギー反応によって、発熱や咳、痰などの症状が見られます。
夏風邪の症状とよく似ていますが、長引くと呼吸困難を起こすこともあります。
家では熱や咳が出るのに、自宅から離れると途端に症状がなくなるといった場合はこの夏型過敏性肺炎にかかっている可能性があります。
夏に咳ばかりが長引く場合は、呼吸器科やアレルギー科で診察を受けてみるのも一つの手段です。
<エアコンについて>
エアコンの場合はカビが発生している場合、咳の原因になることもあります。
とくに咳が出始めた時期とエアコンを使い出した時期が重なっているなら、エアコンに原因のカビが発生している可能性が高いです。
もし夏場に、咳ばかりが酷く出て一ヶ月以上続いている場合は、夏型過敏性肺炎にかかっていることを疑いましょう。
その場合エアコン掃除をきちんと行うことで解決する可能性があります。
その他、考えられる病気
- 肺炎
- アトピー性鼻炎
- 結核
咳が出るのは、お風呂あがりで体温が上昇していたり、夜は副交感神経(リラックス状態)に入るので、気管支が収縮し、気道が狭くなるのが原因となっています。
ほかにも水分補給が足りなかったり、冷房などで空気が乾燥していると、喉の乾燥が起こり咳が出やすくなります。
とくにエアコンなどの空調が効いていると、乾燥した空気が流れこむようになるので、咳が止まらなくなる場合が多いようです。
咳が止まらない時に行く病院
- 夏風邪だと明らかに分かっている時:内科
- 咳ばかりが酷く、長引いている時:呼吸器科
- 夏風邪か、呼吸器系か、よくわからないとき:耳鼻科
咳は放っておけば喘息につながることもありますので、症状が治まらない時は早めに病院に行きましょう。
夏は高温の中で過ごすため、自律神経の乱れによって免疫力が低下しやすく、疲労が溜まることで夏風邪が起こります。
しかし、先に紹介した夏型過敏性肺炎のように、カビなどが原因で咳が引き起こされていることもありますので、疑わしい時は適切な病院で診察を受けると安心できます。
夏風邪の咳まとめ
夏風邪は免疫力の低下によって引き起こされ、咳などの症状として現れます。
咳があまりにも長い間続いてしまう場合は、エアコンのカビなどが原因になっていることもありますので、見なおしてみるのも改善につながる可能性があります。
また、夏風邪の症状のひとつとして、高熱が続いてしまうこともあります。
⇒夏風邪の高熱が続く症状の対処は?下がらない原因と大人・子供での治し方!
薬の服用などが高熱が治らない原因になっていることもありますので、下痢止めなどを服用していないか、確認してみましょう。
<夏風邪の記事一覧>