「お盆にお供えする食べ物と言えば何?」
「お供え物にはどんな意味が込められているの?」
お盆には先祖が返ってくると言われており、親戚が集まったり仏壇にお供え物をしたりして過ごすと思います。
このお盆のときに、どんなものがよくお供えされるのか・食べられるのかを今回調べてみました。
地域性も出るようなので、もしかしたらあなたの家では見かけない食べ物もあるかもしれません。^^
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お盆の食べ物
1:そうめん
お盆には、夏の麺類の定番「そうめん」をお供えすることが結構多いようです。
ツルリと食べやすくて暑い季節にちょうどいい、ということもあるのかもしれませんが、他にも理由があるようです。
<そうめんをお盆にお供えする理由>
- ご先祖様があの世に帰るとき、手綱や荷物をくくるための綱になる
- 細くて長いそうめんにあやかり、「幸福が細く長く続くように」との願いが込められている
- 熱病に侵されないように(平安時代には、そうめんを食べれば熱病にならないと信じられていた)
- 糸に見立てられたので、針仕事が上達するように供えられた
そうめんの見た目に影響された理由が多いですかね。(^ω^)
うどんも長寿を願って食べられますし、麺類はみんな縁起がいい意味が込められていますね。
2:おはぎ
お米を小豆のアンコで包んだ和菓子の定番「おはぎ」ですが、コチラも供える理由がいくつかあります。
- 小豆の赤色は邪気を祓うと信じられているため
- おはぎのお餅には、穀物が豊かに実るようにと(五穀豊穣)の願いが込められている
- 昔は甘いモノが貴重だったので、特別な日に出すものだった
ちなみに「ぼたもち」と「おはぎ」は基本的に同じものですが、名前が違うのは季節に関係しています。
春の花である牡丹から「牡丹餅(ぼたもち)」、秋の花である萩から「お萩(おはぎ)」となったのだそうです。
個人的につぶあんよりこしあんのほうが私は好きですね、どうでもいいですが。(笑)
3:お団子
団子はお供え物の定番と言えますが、これはご先祖様があの世に持って帰るお土産の意味があるのだそうです。
うちではお盆の期間中ずっと白いお団子だったのですが、地域によっては日それぞれでお供えする団子の種類を変えるようですよ。
- お迎え団子(盆の入りにお供え):先祖を迎えるときのお団子。タレやあんこのお団子を供える。
- お供え団子(先祖の滞在中にお供え):「おちつき団子」と呼ばれることもあり、先祖がいる間にお供えする団子。おはぎをお供えすることもある。
- 送り団子(盆の明けにお供え):先祖を見送る時にお供えする団子。シンプルな白い団子を供えるのが一般的。
お団子に、お迎え用や見送り用があるのは私も知りませんでしたね。
4:きゅうりとなす(精霊馬)
割り箸やつまようじなどで、ナスやキュウリに足をさして作るのが「精霊馬(しょうりょううま)」です。
きゅうりは馬を表していて、ナスが牛なのだそう。
- きゅうり(馬):馬は走るのが早いので、先祖が早く帰ってこられるようにという意味がある
- ナス(牛):牛は歩みが遅いことから、先祖がゆっくりとあの世に戻って欲しいという意味。供物をたくさん乗せて帰ってもらえるようにという意味もある。
飾る日は、この解釈を見るとキュウリが迎え盆、ナスが送り盆が適しますが、実際は地域によってさまざまみたいです。
丁寧にお迎えしたいから最初に牛にして、急いで帰れるように送るときは馬にする、って解釈もあるみたいですよ。
ちなみに私の家では精霊馬を飾る習慣がなく、脚のついたナスとキュウリを初めて見たときは「なんじゃこりゃ!?」って感じでした。(笑)
コレね。(^ω^)↓
5:落雁
落雁(らくがん)と言えば蓮の花や葉っぱ、果物などのカタチを模した砂糖菓子です。
お供え物に落雁が使われるのは、調べてみると説がいくつかあります。
- 釈迦の弟子であった目連が、餓鬼道へ堕ちている母親を救うため、修行僧や恵まれない人に食べ物(特に甘いモノ)を施したことから
- 落雁などの砂糖菓子は、むかしは身分の高い人しか口にできないものだったので、仏さまへの最上のお供え物として選ばれていたから
- 落雁は暑い季節でも日持ちがするので、保存方法が発展していない時代でも便利だったから
果物のカタチをした落雁は、ナマモノであるフルーツの代わりとしても用いられているそうですよ。
6:水の子
水の子はナスやキュウリなどの夏野菜をさいの目状に切り、洗ったお米を混ぜて蓮の葉に盛り付けたものです。
水を注ぐのはご先祖様の喉が渇かないようにという意味や、水には浄化をする力があるため、自分の家系が絶えてしまった無縁仏やくっついてきた餓鬼などを供養する役割があると言われています。
また、餓鬼が食べ物を口にしようとすると、火がついて食べられないと言われます。
なのでその火を消して食べてもらうために、水分を含ませるとされます。
ちなみに餓鬼の喉はとても細くなっているので、野菜を細かく切ることで食べやすいようにしているのだそうです。
7:精進料理
精進料理は肉や魚など動物性食品を使わず、豆や野菜、フルーツ、海藻などを用いた料理のことです。
こうした植物性食品しか使わない精進料理をお供えするのは、
- 先祖といっしょに生きてきた動物たちに感謝をする
- 仏教では生き物の殺生が禁じられているため
といった理由があります。
ダシでさえ鰹などは使わず、昆布やしいたけなどがメインとなっています。
個人的には、植物も生き物だと思うんですけどね…。^^;
お盆の食べ物まとめ
お供え物の意味を知ると、今までとは違った気持ちでお盆を過ごせるようになりそうですね。
あまり理由を知らずお供えしていることもあるかもしれないですが、意味を知っていると準備をする際の意識も変わりそうです。
お盆について調べていると、精霊馬を飾るのって結構定番みたい?ですね。(初めびっくりしましたが。笑)
自分の地域にない風習って新鮮な印象を受けるものですが、ナスやキュウリに割り箸をつけた姿はなんだか面白いような、かわいいような感じがします。^^
また、夏らしいスイカや桃など旬の果物・野菜をお供えにして、食べるということもよくあるようですよ。
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