アネモネの花は3月の春の早いうちから開花が始まり、気温が10度を上回る頃にその愛らしい花を咲かせます。
光がないと花を閉じ、摘むとすぐにしおれてしまうことから、古代のギリシャでは死を象徴する花とされてきました。
そこから悲しい意味の花言葉を持ち合わせるようになったんだとか。
しかし、赤や青、紫や白といった多彩な色のバリエーションを持つアネモネは、花言葉の意味が色によって変わってくるようですよ。
また、アネモネという名前の由来は「風」から来ているとされます。
今回は、アネモネの花言葉や由来を見ていきましょう。
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アネモネの花言葉
まずは、アネモネ全体での花言葉から見てみましょう。
- 儚い恋
- 見捨てられた
- 見放された
- 可能性
- 薄れゆく希望
- 恋の苦しみ
- 辛抱
- 無邪気
どことなく哀愁ただよう花言葉が多いですね。
しおれるのが早い様子を見れば、希望が薄れるといったニュアンスは確かに感じるかもしれませんね。
「儚い恋」や「恋の苦しみ」といった、全体的にマイナスな意味が多い印象ですが、「可能性」といったプラス面もあるようです。
無邪気というのは、アネモネが種を風によって運ぶ特徴があることから、このような花言葉が付けられたと言われます。
では、色それぞれの意味もそれぞれ紹介していきます。
【赤】…君を愛す
赤は見る人に情熱的で強い印象を与える色です。
まず初めに目を引いてしまう赤色のアネモネの花言葉は「君を愛す」。
素敵な意味をもった花言葉で、ストレートな気持ちを表していますね。
赤色といえば、お花を代表するバラも、赤になると花言葉は「愛情」や「あなたを愛してます」といった意味をもちます。
どうやら赤色には共通して情熱を伝える意味を含んでいるようですね。
私もアネモネの中では一番赤色が好きなのですが、とてもお花らしい華やかさがありますよね。(*^^*)
【ピンク(桃色)】…待望、待ち望む
あでやかで女性らしい愛情を象徴するようなピンク色のアネモネが持つ花言葉は「待望(待ち望む)」。
赤色とはまた違った可憐さを持つピンクですが、どうやら真っ直ぐな気持ちを表しているようですね。
ピンクは感謝や愛を伝える効果が非常に高いので、プレゼントのリボンなどにもよく使われる色です。
【青】…堅い誓い
静かで見ている人に落ち着きを与えるような青いアネモネが持つ花言葉は「堅い誓い」。
青は心理的にも集中できる色だと言われているので、堅実なイメージの花言葉が付いたのかもしれませんね。
赤が興奮や情熱をイメージさせる色である一方、青は対照的で落ち着きや冷静さ、慎重さを象徴しています。
【紫】…あなたを信じて待つ、信じて従う
紫はエキゾチックな魅力を持つ色ですが、紫のアネモネの花言葉は「あなたを信じて待つ」「信じて従う」。
この花言葉を聞くと、遠くの人に対して思いを馳せるようなイメージになりますね。
ちなみにアネモネは青と紫の色が似ているので、青も同じ「信じて待つ」といった花言葉を持つことがあるようです。
【白】…真実、期待、真心、希望
純粋で清らかな印象をあたえる白いアネモネの花言葉は「真実」「期待」「真心」「希望」。
白色は、始まりを象徴しているとのことですよ。
光や平和をイメージさせ、白鳥や白蛇などの白い生き物は神聖なイメージを与えます。
白いアネモネもその純白さから、「真実」や「真心」といった、混じりけのないニュアンスをもった花言葉が付けられています。
【オレンジ】のアネモネには花言葉がない?
アネモネはオレンジだけ花言葉がないの
自分で考えろってこと?— 梅木 (@Die_loss) 2016年3月21日
本なども見てみましたが、あちこちを探してみても見つからないので、どうやらオレンジのアネモネには花言葉が付けられていないようですね。
そうなるとオレンジのアネモネには、アネモネ全体の花言葉を当てはめるという手段がありますが、オレンジ色は見ている人に元気を与え、温かみや活力といった印象を与えます。
とすると喜びを表現するにもふさわしい色だといえるので、どちらかと言えばポジティブな花言葉が付きそうです。
【動画】アネモネの花言葉
「はかない恋」という花言葉が代表のようですね。
ギリシャ神話についても見てみましょうか。
アネモネが生まれた物語
アネモネが生まれた伝説はギリシャ神話からも由来されています。
はたしてどのようにしてアネモネが誕生したのか?神話という物語から見てみるとおもしろいですね。
花の女神フローラと西風の神ゼピュロスの話
1つ目は
花の女神である「フローラ」と、
西風の神である「ゼピュロス」のお話です。
花の女神フローラと西風の神ゼピュロスの2人は仲の良い夫婦でしたが、ゼピュロスの浮気によって、その関係は一変します。
女神のフローラには「アネモネ」と呼ばれる、1人の美しい娘の召使いがいました。
男性の神であったゼピュロスはこのアネモネに興味をいだき、なにかと理由を付けて何度もアネモネに会いに行くようになりました。
フローラはアネモネを遠ざけようと努力しましたが、ゼピュロスはアネモネを一向に諦めようとしません。
するととうとう腹を立てたフローラは、怒りのあまりアネモネを花園から追い出してしまったのです。
突然のことにゼピュロスは呆然とし、アネモネのことを忘れようとしましたが、彼は諦めることが出来ませんでした。
どうにかアネモネを手元に置いておきたかったゼピュロスは、彼女を花に変えることで、ようやくアネモネを花園に留めておくことに成功したのです。
この神話から導き出せば、現在のアネモネの花にこの名前がついたのは、もとは女神の召使いが花に変えられてしまったからなのですね。
で、その召使いの名前がそのまま花の名前になってしまったと。
ううむ…こう読むとゼピュロスの浮気が悪いのですが、女神の嫉妬も怖いですね…。(汗)
美の女神アフロディーテーと美少年アドニスの物語
これはアネモネの誕生物語というよりは、赤いアネモネの色にまつわるお話です。
美の女神である「アフロディーテー」と
美少年「アドニス」のお話です。
美の女神アフロディーテーの胸に、恋の神のキューピッドが放った矢が誤って刺さってしまいました。
この矢には、出会った人を好きになるという効力があります。
そしてアフロディーテーは美少年アドニスに出会ってしまい、彼の虜になってしまったのです。
しかし、アフロディーテーにはすでに、アレスと呼ばれる戦を司る神が恋人にいました。
アドニスに嫉妬したアレスは、自身の姿をイノシシに変えて、アドニスに襲いかかります。
イノシシに変化したアレスの牙が突き刺さり、アドニスはあっけなく命を落としてしまいました。
そのときアドニスから流れでた血が、地面に咲いていたアネモネの花に染み渡り、アネモネは赤い花を咲かせるようになったと言います。
その後アドニスの死を知り、彼の元で泣き叫ぶアフロディーテーの涙が、花の中央を白く染めたと言われています。
誤解が重なった結果、アドニスの命の終わりで締めくくられることになり、あまりにも悲しい話に思えます。
アネモネ全体の意味も、こういった物語から「儚い恋」といった花言葉が付けられたのかもしれませんね。
【感想】
そういえば、確かにアネモネの花の真ん中は白く染まった部分があって綺麗ですよね。
ピンクや紫にも白い部分はありますが、赤はとくに顕著に白色が出ており、際立ってて大変美しいです。
アフロディーテーとアドニスの話は、血液によってアネモネの花が赤く染まってしまったという悲しい話です。
でも、花の色が涙や血液で変化するなんてなかなかロマンチックな物語ですよね。
これはただの願望ですが、そのときアドニスの血液を受け止めたアネモネの花は、もしかしたら色の染まりやすい白色だったかもしれませんね。
ただ、そうだったらいいなーってだけなんですけどね。(^^;)
私も赤いアネモネの花の白いグラデーションが好きで、春時に見つけると嬉しくなってしまいます。
アネモネの種類や品種
アネモネは自生種で120種類以上存在すると言われ、園芸品種も数多く作られています。
ここでもいくつか紹介していきます。
デカン
一重咲きで大きな花を咲かせるのが特徴の、アネモネの代表的な品種です。
ガーデニング用としても人気があり、6枚から10枚ほどの花弁がついています。
背丈も高く10~30cmほどあり、切り花としても人気があります。
資源回収終了し、ちょっと庭を眺めてぱちり。アネモネデカンです。 pic.twitter.com/bivrKjLY
— kaorin (@popporun4611) 2012年5月12日
セントブリジット
19世紀にアイルランドで作り出された品種です。
八重咲きで花弁が多く、背丈が低いのが特徴です。
アイルランドの守護聖人である「聖ブリジット」にちなんで、この名前が付けられました。
八重咲きのアネモネ、セントブリジット。アイルランドの守護聖人の名を戴く花で、聖書では山上の垂訓で有名な「野のユリ」の1つ。西洋の伝説では、風の神ゼフュロスに見初められて妻フローラの怒りをかい、花に変えられてしまう美しい少女の姿です。 pic.twitter.com/6Grw2i17dY
— Anya* (@LumoFloro) 2016年2月28日
モナーク
モナークは花が小さく八重咲きをする品種で、草丈は10cm~20cmほどあります。
アネモネは一重咲きが多い中、改良されて八重咲きをするようになったガーデニング用に人気のある品種です。
スパイダー咲きと呼ばれる変わった咲き方をし、花壇や鉢植えでも育てることが出来ます。
アネモネ モナーク
Anemone pic.twitter.com/54oSB6zeUD— 華咲 (@misassya) 2015年2月2日
2014年2月22日のアレンジから。
アネモネの”モナーク”
アネモネとしては小ぶりな白の品種。花びらの雰囲気も一般的なアネモネとはちょっと違うかも? pic.twitter.com/1vCJrS0Twr— komorebi *・゜゚・*:.。.. (@komorebi3739) 2015年1月15日
モナリザ
切り花として人気が高い品種で、大きくて薄い花弁を持ちます。
花弁の枚数は少ないですが八重咲きをする種類で、花弁の縁が柔らかくカーブしており、他の品種には見られないような淡い色合いをしています。
モナークと同じくガーデニング用として人気があります。
やっぱりアネモネ モナリザはいい pic.twitter.com/7XD28GUfyf
— らっきょ (@Sleeping_Fist) 2016年1月30日
ブランダ
ブランダはバルカン半島東部からトルコに分布するイチゲの仲間で、花色が混ざっているものや、青や白、紫といった花が咲きます。
岩の多い場所や開けた森などに生え、ギリシャなどでは多くの群生を見られることがあるそうです。
アネモネブランダ pic.twitter.com/DqnZLL3bO1
— yoshiko (@nekoyatori) 2014年3月2日
アネモネが誕生花の日
- 1月22日
- 3月12日
- 3月13日
- 4月6日
- 4月2日(白のアネモネ)
- 2月15日、4月2日(青のアネモネ)
- 4月4日(赤のアネモネ)
春に咲く花だからか、3月や4月に多いようですね。
紫やピンクには、どうやら誕生花としての日は決められていないようです。
ちなみに私は5月生まれなので、ここには当てはまりませんでした…。
アネモネは特に好きな花だったのですが…残念。
アネモネの名前の由来はギリシャ語の「風」
アネモネの名前はギリシャ語の「anemos(風)」に由来し、英語では「Windflower(風の花)」という別名があります。
アネモネの種には長い毛が付いており、風で運ばれることから元になったと言われています。
アネモネで皮膚炎?
アネモネは茎を折ったとき、出てきた液に触れると皮膚炎を起こす原因になるといわれています。
といっても毒性があるほど強力ではありませんので、過剰に心配することはありません。
とはいえ、特別肌が弱い場合にアネモネでガーデニングを行うなら気をつけましょう。
プレゼント・シチュエーションで選ぶアネモネの色の選び方
気持ちを伝えたいときは赤色
告白時につかうイメージがある花といえばバラですが、少し派手すぎるかな?露骨かな?と思うならぜひアネモネの花を使いましょう。
アネモネは外見から愛らしさがあり、丸いフォルムをしていてバラよりスマートなので、受け取りやすい花だとも言えます。
赤のアネモネの花言葉も「あなたを愛す」ですから、告白やプロポーズにベストでしょう。
愛する人に贈るなら白色
白色には、「真心」や「希望」といった花言葉が含まれています。
そのため、相手が大切な人ならば白いアネモネで気持ちを伝えましょう。
恋人だけではなく、家族や親しい友達の誕生日プレゼントにもふさわしい色だと言えますね。
会いたい人に伝えるなら紫やピンク
ピンクには「待ち望む」、紫には「あなたを信じて待つ」といった意味があります。
そのため、遠い場所に大好きな人が住んでいるならピンクや紫のアネモネを贈るのがいいでしょう。
白でも贈り物には良いですが、会いたい気持ちを乗せたいなら紫やピンク色がオススメです。
結婚式には青のアネモネ
青いアネモネには、「堅い誓い」という意味があります。
長い間連れ添う関係になるなら、結婚式に青いアネモネは合っているといえます。
飾りでもいいですが、ブーケだと特にアネモネの華やかさが生えていいかもしれないですね。
プレゼントにオレンジは使わないほうが無難?
オレンジ色は特別決まった花言葉がないため、アネモネ全体の花言葉が反映されることになってしまいます。
そのため、プレゼントには使わないほうがいいかもしれません。
とはいえ、オレンジは気持ちを明るくさせてくれる元気カラーなので、相手が好きな色なら贈っても良いと思います。
色別アネモネの花言葉まとめ
このようにして、アネモネには色ごとに別の花言葉がついています。
ネガティブとポジティブ両方の花言葉を併せ持った花ですが、色のバリエーションも豊富でカラフルな印象がありますよね。
花言葉をまとめると
- アネモネ全体の花言葉は「儚い恋、見捨てられた、見放された、可能性、薄れゆく希望、恋の苦しみ、辛抱、無邪気」
- 【赤】のアネモネは「君を愛す」
- 【ピンク】は「待望、待ち望む」
- 【青】は「堅い誓い」
- 【紫】は「あなたを信じて待つ、信じて従う」
- 【白】は「真実、期待、真心、希望」
- 【オレンジ】のアネモネには特別な花言葉がない
- 「アネモネ」の名前の由来は、ギリシャ語の「anemos(風)」、英語では「Windflower(風の花)」
アネモネを見かけることがあったら、ぜひこれらの花言葉を思い出してみてくださいね。