ヘルシーなイメージがあるお肉といえば鶏肉ですよね。
牛肉や豚のばら肉などは、脂身の多いイメージがあるものの、
鶏肉はささみや胸肉といったタンパクな部位が豊富で、
ダイエットに使いやすい印象があります。
鶏肉は皮や手羽肉さえのぞいてしまえば、
高タンパク低カロリーな食材として使うことが出来ます。
痩せたいときはお肉を食べちゃいけないのかな?なんて
印象をもたれる場合があるかもしれませんが、
鶏肉には肌や細胞の老化を防ぐための成分が豊富に含まれており、
むしろ美容を意識したダイエット中であるからこそ食べて欲しい食材と言えます。
ささみなどはさっぱりとした食感から、サラダに使うこともできますし、
鶏肉に含まれる成分には肌荒れの改善や二日酔いを予防する栄養素が入っているので、
積極的に取り入れて行きたい食品です。
ですが鶏肉はタンパク質が多い分、とりすぎによって起こる
悪影響も存在します。
この記事ではあなたにも知ってもらいたい
鶏肉の部位ごとの栄養について、
そして食べ過ぎによる影響を書いていきたいと思います。
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鶏肉の特徴
鶏肉はヘルシーなイメージが浸透している上、
サラダやソテー、ハムなどにもでき、使い勝手がいいので
日常的に取り入れたい食品と言えます。
推したい点はやはり、脂身が少なく高タンパク低カロリーな点ですが、
他にもビタミンB6やナイアシン、ビタミンKやパントテン酸などといった成分に
優れています。
脂肪分の少なさは、肉類の中でもとくに鶏肉は秀でており、
スーパーなどで手に入れやすいという部分も利点でしょう。
脂質が少ない分、
摂ったグラムの分だけタンパク質をたっぷりと取ることができるので
肌や筋肉の調子を整えたい時にも使いやすい食材です。
タンパク質は身体の中で、アミノ酸という成分に分解され、
爪や髪、筋肉や臓器などの直接的な構成成分として重要な働きをします。
鶏肉の栄養と作用について
○たっぷりのタンパク質
鶏肉には、筋肉の維持や身体の組織そのものの構成成分となる
タンパク質をたっぷりと取れる特性があります。
タンパク質の役割は以下の様なものになります。
- 細胞や筋肉、爪や髪の構成成分になる
- ホルモンの機能を調整する
- 身体を動かすエネルギー源になる
とくに鶏肉は脂が少ない部位がほとんどなので、食事で摂った分、
効率的にタンパク質を摂取できるという利点があります。
そのため、
- 髪質や肌を美しく保つ
- 細胞を正常に働かせる
といった効果を得ることが出来ます。
ほかにも、鶏肉にはたくさんの栄養素を含みます。
○ナイアシンでアルコールの代謝率アップ
ナイアシンはアルコールから生み出されるアセトアルデヒドという物質を
分解するための助けになります。
そのため、お酒の飲み過ぎによって起こる症状を緩和します。
例えば、
- 頭痛
- 吐き気
- 二日酔い
また、糖質や脂質の代謝を助け、エネルギーを生み出す過程を
助ける役割があります。
いわゆるペラグラと呼ばれる症状はナイアシンが不足すると起こる
とされています。
○ビタミンB6で肌の調子をよくする
ビタミンB6は皮膚の病気を予防する過程で発見されたビタミンです。
そのため、肌荒れやニキビといった皮膚の悩みに対して、
有効なビタミンであると言われます。
また、ホルモンバランスを整えるとされ、女性の月経前の不調にも
効くと言われています。
- 湿疹、皮膚炎を予防する
- ニキビ、口内炎の予防
- 月経前の頭痛、イライラを軽減
○ビタミンKで骨を強化
カルシウムが骨に取り込まれるのを助けるビタミンで、骨の健康に
関わりが深いといわれています。
ですのでカルシウムが足りないことで起こる骨粗しょう症の予防になります。
また、けがなどで出血した時に、正常に血が固まるようにする凝固作用があります。
そのため、出血が多量になるのを予防する役割があると言えます。
- 骨粗しょう症を予防する
- 出血した時に固まりやすくする
○ストレスと生活習慣病に効くパントテン酸
ストレスに強くなる効果があるとされ、摂取によって、
ストレスへの抵抗力がアップすると言われています。
また血液の中の善玉コレステロールを合成し、動脈硬化などの
生活習慣病を予防する役割もあるとされています。
- ストレスに対する抵抗力を上げる
- 動脈硬化などの生活習慣病を予防する
鶏肉の部位ごとの特徴
鶏肉には部位ごとに含まれる成分も違っています。
ここでは、それぞれの栄養と効果について見ていきましょう。
○鶏むね肉
ビタミンK、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸といった成分も
それぞれが豊富に含まれています。
ビタミンB群には、肌の不調に作用する成分がとことん含まれていますので、
美容を気にする場合でも必須となります。
またむね肉は、ハムにしても美味しく食べれるので、
作り置きしておけばいつでも食事に取り入れることができます。
皮がないものであれば、タンパク質の面をみてささみに次いで高タンパク低カロリーな部位と
言えるでしょう。
- 低カロリーでタンパク質が摂取できる
- 肌の不調を改善する
鶏もも肉
もも肉には、セレンと呼ばれるミネラルがたっぷりと入っており、
これは細胞の老化を防いで動脈硬化を予防するミネラルと
言われています。
体内で酸化した物質を分解すると言われ、
がんを抑制する成分とも言われています。
- 老化防止
- 動脈硬化を防ぐ
- ガンの予防
○鶏ささみ
鶏肉の部位の中では最も効率よく、カロリーを控えてタンパク質を取れる
食材です。
老化を防止するセレンの他にもモリブデンを含み、
老廃物の排出をうながして尿酸に変える働きがあります。
モリブデンは鉄を吸収するための代謝にも関わっているとされるので、
貧血の予防にも効果的でしょう。
- 老化防止
- 老廃物を尿酸に変えて外に排出する
- 鉄を代謝して貧血予防
○手羽先
鶏肉の中では脂肪分が多い部位とされます。
しかし皮の部分や関節には肌の調子を良くするコラーゲンが
含まれているので、食べ過ぎさえしなければ肌のハリを維持するといった、
美肌効果を期待できます。
ほかにもコラーゲンはニキビやシミ、くすみなどの改善にも効果的と言われます。
- 美肌効果
- ニキビ、シミやくすみの改善
○鶏ひき肉
挽き肉は主にむね肉やもも肉を原料として作られています。
そのためむね肉のバランスの良い栄養価、セレンの老化防止の効果を
一緒にとることが出来ます。
挽き肉のラベルには、使っている部位の表記がされているので、
確認をしてから買うと良いでしょう。
- 老化を予防する
- 肌の調子をととのえる
- 動脈硬化を予防する
○鶏レバー
レバーは肝臓のことで、この部位には栄養が集中して
より集まっています。
他の部位に含まれるセレンやビタミンB6などはもちろんのこと、
貧血を予防する鉄、新しく細胞を作るために必要な亜鉛、
糖の代謝に関わり糖尿病を予防するビタミンB1、肌や髪の成長をうながす
ビタミンB2、皮膚の炎症をおさえるビオチンなどが含まれています。
またビタミンB12や葉酸も多く、この2つは悪性貧血とよばれる
赤血球の形成がうまくいかない貧血の予防をします。
ただ、レバーはたっぷりと成分が集中している分、100gあたりの
栄養価が多すぎるとも言われますので、過剰摂取には十分注意してくださいね。
- 貧血の予防
- 正常な細胞を作る
- 肌や髪の成長を助ける
- 皮膚炎の予防
- 悪性貧血を予防する
○鶏ハツ(心臓)
手羽先と並んで脂肪分が多い部位です。
タンパク質より脂質のほうが多い傾向がありますが、
ストレスに強くするパントテン酸、糖尿病を予防するビタミンB1を含み、
また、造血のビタミンと呼ばれるビタミンB12が豊富に含まれる
部分です。
ビタミンB12は血管の中に含まれているヘモグロビンを正常に作る働きがあり、
貧血を予防します。
細胞の遺伝子情報(DNA)の形成にも関与しており、細胞を
正しい形に作り上げる役割があります。
- 貧血の予防
- 細胞を正しい形に作る
- 糖尿病を予防する
○砂肝
100gあたりのカロリーが100kcalを超えないため、ヘルシーな部位です。
そのためダイエットにも使いやすい食材と言えます。
正常な味覚機能を維持する亜鉛、悪性貧血を予防するビタミンB12、
他にも骨を形成するビタミンKも豊富です。
赤血球の構成成分である鉄も効率的に取れるので、
鉄分が不足しやすい女性にはとくにおすすめでしょう。
- 味覚機能を維持する
- 悪性貧血の予防
- 骨を形成する
○鶏皮
いわゆる、鶏むね肉や鶏もも肉の皮の部分のことで、
脂肪分が多いですが、その分他の部位よりもコラーゲンが豊富です。
コラーゲンは細胞同士をつなぐ役割があり、肌に弾力を与え
関節の痛みにもきくと言われていて、
骨を丈夫にする作用があると注目されています。
- 肌に弾力を与える
- 骨を丈夫にし、関節の痛みをやわらげる
○鶏軟骨
カロリーが鶏ささみの半分ほどなので、痩せたいときに使いた良い食品と言えます。
鶏皮にも含まれているコラーゲンが豊富で美肌効果がある上に、
ナイアシンが豊富なので、コレステロールを下げるといった効果もあります。
- 美肌効果
- コレステロールを下げる
- 動脈硬化を予防
鶏肉100gあたりの栄養素一覧
部位 | カロリー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | ナイアシン(mg) | ビタミンB6(mg) | ビタミンK(μg) | パントテン酸(mg) | セレン(μg) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
鶏むね肉(皮つき) | 191 | 19.5 | 11.6 | 10.6 | 0.45 | 35 | 1.96 | – |
鶏むね肉(皮なし) | 108 | 22.3 | 1.5 | 11.6 | 0.54 | 14 | 2.32 | – |
鶏もも肉(皮つき) | 200 | 16.2 | 14 | 5 | 0.18 | 5.3 | 1.68 | 14 |
鶏もも肉(皮なし) | 116 | 18.8 | 3.9 | 5.6 | 0.22 | 36 | 2.06 | 16 |
鶏ささみ | 105 | 23 | 0.8 | 11.8 | 0.6 | 14 | 3.08 | 22 |
手羽先 | 211 | 17.5 | 14.6 | 4.8 | 0.27 | 51 | 1.01 | – |
鶏ひき肉 | 168 | 20.9 | 8.3 | 6.4 | 0.68 | 16 | 1.36 | – |
鶏レバー | 111 | 18.9 | 3.1 | 4.5 | 0.65 | 14 | 10.1 | 60 |
鶏ハツ(心臓) | 207 | 14.5 | 15.5 | 6 | 0.21 | 51 | 4.41 | – |
砂肝 | 75 | 14.64 | 1.44 | 3.12 | 0.03 | 22.4 | 1.04 | – |
鶏皮(むね部分) | 497 | 9.5 | 48.6 | 6.8 | 0.12 | 110 | 0.65 | – |
鶏軟骨 | 54 | 12.5 | 0.4 | 3.6 | 0.03 | 5 | 0.64 | – |
食べ過ぎによって起こること
鶏肉はヘルシーな部位が多いですからたくさんとっても
なかなかカロリーオーバーがしにくいと言えます。
しかし、取りすぎればそれだけ身体に悪い影響を与えます。
○腎臓の機能をわるくする
鶏肉にはタンパク質を含む部分が非常に多いです。
タンパク質は過剰に摂取した分を、身体に蓄える仕組みがなく、
尿によって排出されるようになっています。
尿をつくるのは腎臓ですから、タンパク質をとればとるほど
腎臓に負担がかかるようになっています。
ですから、あまりにもタンパク質を摂ると、
肝機能障害につながるというったおそれがある上、
尿の中にカルシウムが排出される量が多くなり、骨粗しょう症にもつながります。
○鶏レバーの食べ過ぎには注意
肝臓はあらゆる栄養素が集中する部分です。
それは鶏のレバー(肝臓)であっても例外ではなく、
あらゆる食品の中でも栄養価の高さはトップクラスと言えます。
とくに肝臓のビタミンAの含有量は半端ではなく、レバーを100g食べれば
1日の摂取量の20倍は含まれているとされます。
これは、摂取していい上限の数値をゆうに超えています。
ビタミンAは脂溶性なので、摂取した分が外に排出されないまま
身体に蓄積されていきます。
そのため
頭痛や脱毛、脂肪肝、骨障害などの過剰症に
陥ってしまうことになります。
レバーを日常的に食べるなら少量に止め、あくまで、
不足分を補うといった役割にするのが最適な使い方と言えるでしょう。
鶏肉のプチネタ
○普段使いならむね肉やもも肉がいい
鶏肉といえば、メジャーな部位がむね肉やもも肉でしょう。
からあげや煮込み料理といったものにも定番として使われますよね。
実はこれらの部位は、脂肪分がついている皮付きのものであっても
大きなカロリーオーバーにはなりにくい部位といえます。
むしろ健康的な食事をしたいなら、
適度な脂肪分やコラーゲンもとれるので皮付きで食べるのがいいでしょう。
ダイエット中なら皮を取れば、余分な脂肪を落とせてカロリーカットになりますし、
体重を減らしたいならささみを使うのがとても効果的です。
○効果的な鶏肉の栄養の摂り方
鶏肉に含まれる栄養素には、基本的に水に溶けるタイプの成分が多い
です。
とくにナイアシンやビタミンB6、パントテン酸などのビタミンB群は
水で煮たりすると、鍋の中に成分が残り、
使うときにはもうお肉の中に栄養価があまり残っていないとされます。
ビタミンB群は比較的熱には安定している成分なので、
焼いて食べれる炒め物や照り焼き、甘煮などにして食べれるメニューが良いでしょう。
シンプルにしょうゆとはちみつ、ミリンで味付けて
焼いただけでもおいしい照り焼きになりますよ。
好みですが、レモンをかけるとビタミンC摂取になってなおいいですね。
○鶏肉を食べる際に気をつけたいこと
とくに脂肪分に気をつけたいのは、手羽先と鶏皮、ハツ部分なので、
この部分をたくさん食べるといったことは控えたほうがよさそうです。
またレバーも栄養の過剰摂取になるので、少量に留めましょう。
普段から取り入れるならむね肉やささみといった、
適度な量できちんとタンパク質がとれる食品が有効であると
言えます。
まとめ
今回は鶏肉に関して書いていきました。
こう見ると鶏肉は、とてもヘルシーで美容にもよい成分が
たくさん含まれていますね。
ただし、一部に脂肪の多い部位も存在するので、
これらのことを知っておいて、脂質のとりすぎにならないよう
普段から気をつけたいですね。
レバーは毎日食べるといったことはしないほうが無難で、
たまには栄養をたっぷり摂りたいな、というときに取り入れると良いでしょう。
鶏肉については、個別で手羽先・手羽元のカロリー記事がございます。
鶏肉単体だけでなく、唐揚げの場合のカロリーもまとめているので、食べる機会がよくあればご覧になってみてください。