“なぜ節分には鬼が来るの?“
節分といえば鬼が来て、「鬼は外!福は内」というかけ声とともに豆をぶつけて退治しますよね。(*^^*)
ご家庭でも鬼の役をする人をひとり決めて、豆をなげて節分をすごすと思います。(おもいっきりぶつけたら痛そうです。汗)
しかし、なぜよりによって節分に鬼がやってきたり、豆を使ってやっつけるんでしょうか?考えてみると少しギモンですよね。
トラ柄のパンツをはいていたり、赤や青色だったりと、あんな怖い姿をしているのも理由がありそうです。
このページでは、
- 節分に鬼が来るのはなぜ?
- 豆をまいて退治する理由は?
- 鬼の姿(色やトラ柄のパンツ)の由来
- “鬼は外、福は内“の意味って?
- 余談:「鬼は内」もアリ?
これらの内容についてまとめていきます。
記事内容(項目をクリックすると飛べます)
なぜ節分に鬼が来るの?
「鬼(おに)」とは、もともと「隠(おぬ)」や「陰(おん)」という言葉が変化したものという説があります。
「隠(おぬ)」は「目に見えない存在」や「この世のものではない存在」を表していて、「陰(おん)」は見えない気、主に“邪気“をさしています。
災厄、疫病といった人に降りかかる悪いことの象徴が「鬼」だったのです。
節分は「立春」の前日にあたり、昔で言えば大晦日にあたりました。
「季節の分かれ目」は悪い気が入りやすい日だとされていたので、幸せに過ごせるようにと「鬼」を追い払うのです。
鬼を豆で退治する理由
節分で豆を使って鬼をやっつけようとするのは、豆には「邪気を払う力」があると考えられていたからです。
豆などの穀物には生命力や魔除けの力がやどっていると言われていたり、「魔目(まめ)」を鬼の目玉にぶつけることで「魔滅(まめ)」、魔を滅するという語呂合わせに由来していると言われます。
なぜ節分で豆を使うのか…というのは以下のページの項目「豆まきをするのはなぜ?」が詳しいです。
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鬼の姿の由来
「赤鬼」「青鬼」といった種類があるのはなぜ?
鬼といえば「赤鬼」や「青鬼」といった2色の鬼がメジャーですよね。
この色にはもちろん意味があるのですが、じつは鬼には5色あるのです。(決して5色そろっての戦隊モノではありません。笑)
鬼の色は仏教においての「煩悩(ぼんのう)」(かきみだすような心の動き)を意味しており、「心おだやかに過ごしたいなら、心に蓋をしている5つの煩悩をはずすと良い」というブッダの「五蓋(ごがい)」という教えから由来しています。
鬼は赤と青以外に、黄(または白)、緑、黒といます。
- 赤鬼:貪欲(どんよく)を意味する。貪欲とは、むさぼるような深い欲求、どれだけ欲しても満足しないこと
- 青鬼:瞋恚(しんに)を意味する。瞋恚とは「怒り」のことで、自分の都合がわるいことに対してすぐに怒ったりすること
- 黄鬼(白鬼):掉挙悪作(じょうこおさ)を意味する。掉挙悪作とは心が落ち着かなかったり、昔の後悔で思い悩んだりすること
- 緑鬼:惛沈睡眠(こんちんすいみん)を意味する。だらだらしたり、やる気がなかったりする状態のこと
- 黒鬼:疑(ぎ)を意味する。疑いの心のこと
こうした鬼たちに豆をぶつけることで、自分たちの煩悩をやっつける!…という発想なんですかね…。
怒りっぽい人は青鬼にぶつけて、やる気がでないと悩んでいるなら緑鬼に豆をまくといいかもしれませんね。
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トラ柄のパンツを身につけている理由・ツノがある理由
鬼はトラ柄のパンツ(腰巻き)を必ずといっていいほどつけていますね。
これは鬼が出入りする方角は「鬼門」とされていて、鬼門は北東、つまり「丑寅=うしとら」の方角をさします。
この「丑寅(うしとら)」が鬼の姿に反映されて、トラ柄のパンツや牛のツノをもつようになったといいます。
「鬼は外、福は内」の意味
先に書いたように「鬼=邪気や災厄」といったものと考えれば、悪いものは外へ追い払い、福は内へ呼び込もうという意味が「鬼は外、福は内」のかけ声にあるようです。
室町時代に「瑞渓周鳳(ずいけいしゅうほう)」と呼ばれる僧が書いた日記には、1447年に「鬼外福内」を唱えたと書かれているので、約600年もの長い間、使われているかけ声となります。
余談:「鬼は内」ということもある
所によっては「鬼は外」ではなく、「鬼は内」というところがあります。
ここまでしてきた説明だと「邪気を家に入れてしまうのでは…」という風に聞こえてしまうかもしれませんが、「鬼は内」のかけ声を使うところではきちんと理由があるようです。
主に以下のような場合で使われています。
- 鬼をまつっている寺や神社
- 名字に「鬼」がつく家庭
- 集落や地域の名前に「鬼」の字が付くところ
名字に「鬼」がついていたら、たしかに「鬼は外」だと縁起が悪いようにも感じますね…。
奈良県の元興寺というお寺には悪者を退治してくれる鬼がいると言われているそうで、「鬼は内」という言葉を使うそうですよ。
また、一部では節分で追いやられて逃げてきた鬼をかくまうところもあるのだそうです。
ひとつの人間的な存在として「鬼」をとらえるなら、私としてもあちこちの家から追い払われてかわいそうにも感じます。(^^;)
スタンダードなかけ声としては「鬼は外、福は内」なのでしょうが、「鬼は内」というニュアンスにもなかなか深い意味がありますね。
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節分の鬼の由来まとめ
鬼を災厄や病気といったおそろしいものにたとえて豆で退治することで、幸せを願うんですね。(^^)
「鬼は内」の部分を書いていたら少し鬼がかわいそうに思えてきましたが、悪いことをするうちは豆をぶつけて改心してもらうしかありません…(汗)
豆まきの時間についてはこちらをどうぞ。
鬼は深夜にやってくるとされますが、夜の間であれば大丈夫かなって感じです。
恵方巻きを食べる予定があるなら以下のページがおすすめです。
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