“節分の食べ物って何があるの?“
“恵方巻や豆を食べる由来は?“
節分では豆まきが終わった後に豆を食べたり、最近では長いのり巻きの「恵方巻き」を食べるのも定着しつつあります。
私の生まれ育った東北地方では以前まで恵方巻きという習慣がありませんでしたが、最近になって見かけるようになり、「恵方巻きってなんだ??」って印象をしばらく持ち続けていました。
もしかしたら同じように感じている人もいるかもしれませんね。^^;
その他にも、地方によってはちょっと変わった食べ物が節分で食べられたりするようですよ。
今回の記事では、以下のような節分に見かける「9つの食べ物」の由来や意味を紹介していきます。
- 恵方巻き
- 豆(福豆)
- 落花生
- いわし
- くじら
- そば
- こんにゃく
- けんちん汁
- 福茶
記事内容(項目をクリックすると飛べます)
節分の“9つの食べ物“由来や意味
1:恵方巻き
恵方巻きが節分に食べられるようになった由来はいくつか説があって、明確なものがどれかというのはわかっていません。
ひとつ有力な説としては、江戸時代の終わりごろに、大阪で商人たちが「商売繁盛」や「厄よけ」の願いをこめて節分に食べたという話があります。
日本の全国に広まったのは、1998年に「セブンイレブン」が全国販売を行う際、「恵方巻」という名称を使用したからだとされています。
それまでは「恵方巻」という呼ばれ方はされておらず、「丸かぶり寿司」などといった名称が一般的だったようです。
恵方巻を食べる意味としては、以下のようなものがあります。
- 7種類の具をつつむことで七福神を表し、福を巻き込んで無病息災・商売繁盛を願う
- 太くて長い恵方巻は、豆をまくことで逃げていった鬼が落とした金棒にたとえている。これで鬼退治が完了したという説
中に巻いてある7つの具は素材が決まっているのではなく、じつにさまざまな食べものが使われます。
<恵方巻の具材いろいろ>
- シイタケ
- かんぴょう
- 桜デンプン
- きゅうり
- 厚焼き卵
- うなぎ
- 高野豆腐
- しそ
- かまぼこ
- しょうが など
スポンサーリンク
2:豆(福豆)
節分で豆が使われるようになった由来は、語呂合わせとして「豆(まめ)=魔目」、鬼の目に豆を投げつけることで、「魔滅=魔を滅する」という解釈に通じることができます。
豆を使う理由・豆まきの由来についてはコチラの記事にある「豆まきをするのはなぜ?」の項目が詳しいです。
豆を食べるのは、昔は穀物(豆や米、麦など)に霊力や生命力が宿ると考えられていたため、そのエネルギーを取り入れることで無病息災を願うという意味がこめられていたのだそうです。
ちなみに、豆は炒ったものを使います。(生の豆は、拾い忘れたものから芽が出ると縁起が悪いとされています。)
3:落花生
落花生は、主に東北や北海道で大豆の代わりに豆まきに使われています。(北海道がはじめだと言われます)
こうした寒い地方で使用されるようになった由来としては、2月は冬のまっただ中なので、以下のような理由が考えられています。
- 積もった雪の上に落ちても発見しやすい
- 落花生はカロリーが高く寒い地方で好まれるようになった
落花生は殻つきのままでまいてしまえば、拾ったあとに食べることができるので、とても合理的…という理由もあります。
ちなみに九州の一部(とくに宮崎や鹿児島)でも落花生が節分の豆撒きに使われる地域があり、これは落花生が特産品だからという理由なのだそうです。
スポンサーリンク
4:いわし
節分にいわしを使用するのは主に西日本の風習です。
鬼はいわしの匂いを嫌がるので、イワシの頭をとがった葉をもつヒイラギ(鬼はとがったものも嫌う)に刺し、戸口に飾っておくことで侵入を防ぐことができるのです。
ヒイラギの葉は鬼の目を刺すといわれ、イワシは焼くことで煙がでて、匂いをひろげることができます。
イワシは、その独特な匂いによって食べることで体の邪気まではらってくれると言われます。
イワシ(鰯)の語源としては以下のものがあり、
- 陸にあげると弱るのが早いことから…よわし(弱し)
- 昔は庶民に愛されていて貴族が食べるものではないことから…いやしい(卑しい)
よわくて、いやしくて、においがあるイワシを食べれば「陰の気」を消すことができるので、魔除けの意味をこめて食べられているのです。
5:くじら
節分でくじらを食べるのは、主に山口県での風習のようです。
「大きいものを食べるのは縁起がいい」と言われているので、海の生き物の中でもとくに身体の大きいクジラは「大きいものの代表」とされてきました。
節分で食べられるのは、以下のような願いがこめられているのだそうです。
- 志を大きく
- 大きな幸福を願う
- 広く大きな心を
スポンサーリンク
6:そば
節分でソバを食べる由来としては、昔は節分が「大晦日」にあたりました。
昔の人にとっては節分が年越しをする日だったので、節分に食べるソバというのはいわゆる「年越しそば」だったのです。
ちなみに節分でのそばは、とくにこの場所でよく食べられている、という限定的な地域は存在しないようです。
大晦日そのものが日本全国で共通している行事なので、地域性が出ないのかもしれないですね。
大晦日にそばを食べる理由は、以下のような説があります。
- 厄を断ち切れる:うどんと比べてそばは歯で切りやすいので、悪いことから切り離すという意味合い
- 長寿:そばは細くて長いので、長寿を願って食べた
- たくましくなる:そばは悪天候にも強く、強い風にあたってもすぐに元気になることから
- 金運が上がる:金細工師が散らばってしまった金粉を集めるためにソバ団子を使用したことからお金を集めると言われた
7:こんにゃく
こんにゃくは四国をはじめとした地域で節分で食べられています。
こんにゃくには食物繊維が豊富なので、食べると体内の掃除をして毒素を取り除いてくれることから、別名として「砂おろし」や「胃のほうき」といった呼ばれ方がされています。
なぜ節分に食べられるようになったのか、という明確な由来というのはわかりませんが、昔の節分は大晦日に当たったため、身体を清めるという意味で食べられたのだと思います。
<こんにゃくの効能>
- 便秘解消(食物繊維が豊富)
- ダイエットに効果的(低カロリーで腹持ちがいい)
- コレステロール値を下げる(グルコマンナンと呼ばれる成分による効果)
- がん予防(便秘を改善して大腸がんの予防)
- 生活習慣病を予防(糖尿病にも効果あり)
スポンサーリンク
8:けんちん汁
節分にけんちん汁を食べる地域は関東地方の一部です。
大根やにんじん、ゴボウ、里芋といった野菜に、こんにゃくや豆腐を加えてごま油で炒め、出汁で煮込んで醤油を加えた汁物です。
けんちん汁は「節分だから食べる」というよりは、寒いときに行われるいろんな行事の中で食べられている料理だったので、自然と節分でも出されるようになったと考えられます。
寒いときには体を温めるものが食べたくなりますよね。
ちなみに、けんちん汁自体の由来としては以下のようなものがあります。
- 中国から伝わった「ケンチュン」という肉や魚を使わない料理
- 建長寺というお寺の「建長汁(けんちょうじる)」。精進料理(しょうじんりょうり)なのでこちらも肉や魚は使用していない
9:福茶
福茶は健康や無病息災を願い、全国的に節分で飲まれています。
といっても私が育った地域では見かけたことがない風習ですが、節分に限定したものではなく、お正月にも出される縁起のいいお茶なのだそうです。
由来としては、平安時代に疫病が流行したとき、「空也上人(平安時代の僧)」が十一面観音(あらゆる災難から逃れたり病気治癒など様々なご利益があると言われる)の像を彫りました。
この観音の供え物としていたお茶を病人に飲ませた所、多くの人々が救われたことから来ているとされます。
福茶の材料には、
- 昆布:よろこぶ
- 梅:松竹梅の梅(めでたい)
- 福豆:まめまめしくよく働ける
といったものが使われ、節分の場合は福豆を入れて作ります。
梅干しは昔から「毒消しになる」と言われていたり、疲労回復にも効果があると言われる体にいい食べ物です。
スポンサーリンク
節分の食べ物まとめ
いかがでしたか?
あなたが住んでいる地域の節分では見かけない食べ物がひとつくらいあったのではないでしょうか?
私が住んでいる東北では豆まきに落花生を使うので、大豆を使うところがあると知ったときは驚きました。
まあ、「うちでは大豆を使うよ」っていう地域の人にとっては、きっと落花生のほうがめずらしいと思うんですけどね。^^;
節分に豆まきをする詳しい理由や、節分自体の由来についてはこちらでまとめています。
ちなみに柊鰯を飾る風習は私の地域では無いんですけど、一説では鬼を追い払うのではなく引きつけて、ヒイラギの葉で刺すという解釈もあるそうです。
スポンサーリンク