尿路結石とはどのような病気かご存知でしょうか?
肝臓から尿道までの通路を尿路と呼び、ここに石が詰まってしまう病気です。
尿が通る道を石が塞いでしまったら、当然症状もでてきますよね。
今回、症状や食事での治療法について調べてみました。
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尿路結石の症状
尿路結石は男性のほうが発症率が高いと言われている病気ですが、もちろん女性でも発症する可能性があります。
男性は中年の方に多く見られ、女性の場合、閉経後に発症することが多いといいますが、若い方でもかかることがあります。
初期症状は軽い血尿や痛み
血尿の初めは赤色というより、少量の血が混ざるので、オレンジ色に近い血尿が見られます。
出血の量が多くないうちは痛みも少ないので、ここで放っておいてしまう場合が多いようです。
尿路に詰まった結石はいわゆる石です。
毎回の尿の排出によってこの石がうごき、尿路が傷つくことによって尿に血が混ざるようになります。
強烈な痛みがおそう
初期の症状を放っておくと、いきなり腰や腹部に激痛が走るようになります。
結石が尿路を覆ってしまうと発作を起こし、強烈な痛みを起こす仕組みになっています。
発熱が現れる
つくられた結石が感染すると、炎症(腎盂腎炎)を起こして発熱が見られると言われます。
尿路結石の原因となる成分
尿路に詰まる石を構成しているのは、シュウ酸、カルシウム、尿酸などが混ざあわさったものです。
とくにカルシウムが原因でできる結石は80%を占めているとされます。
他にも砂糖のとりすぎ、動物性のタンパク質(肉や魚、卵)の摂り過ぎ、塩分や脂肪の多量摂取といったものも原因であると言われています。
またアルコールは尿酸値をあげるので、お酒の摂りすぎは結石の原因となります。
これらの成分の排出量が多くなり、濃度が尿路で高くなると、「結石」という形で現れるようになっています。
つまりはこれらの成分が排泄される量が少なくなれば、自然と尿路結石になるリスクはぐんと低くなります。
ですので普段の食生活を見なおしてみることから初めてみます。
シュウ酸の入った食品をとりすぎない
ほうれん草はシュウ酸が多いことで有名ですが、チョコレートやコーヒー、ココアなどにも入っています。
ほかにもパセリやブロッコリー、トマト、モロヘイヤといった緑黄色野菜、タピオカやオクラにも入っています。
シュウ酸が増えると、尿の色が白っぽく濁る傾向がありますので、目視で判断してみましょう。
ほうれん草、パセリ、ブロッコリー、トマト、モロヘイヤ、オクラ |
チョコレート、ココア |
たけのこ、セロリ、にんにく |
ピーナッツ、タピオカ |
コーヒー、紅茶、緑茶 |
シュウ酸は鍋でゆでることによって、アクとして取り出すことが出来ます。
ですのでほうれん草などを料理に使うときは、アク抜きをきちんと行うようにしましょう。
アルコールを摂り過ぎない
アルコールは尿酸値を高め、体内に留める作用があります。
アルコールを摂取すると、体内で分解されるときに尿酸が作られるので、どんな種類のお酒でも尿酸を増やす結果になるといわれています。
砂糖は尿中へのカルシウム排出の原因に
砂糖を摂取すると骨が弱くなるといいます。
あれは骨の重要な構成成分であるカルシウムが、砂糖を分解するために使われているからです。
そのため砂糖と一緒にカルシウムの量が尿中に増えることになり、結石の原因となります。
砂糖はケーキなどの菓子類やコーラなどの清涼飲料水に多く含まれます。
ケーキ、クッキー、菓子パン、アイスクリームなど |
コーラ、スポーツドリンク、甘味料入りジュースなど |
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動物性タンパク質がシュウ酸を増やす
肉や魚といった動物性タンパク質は、摂取によって体内にシュウ酸や尿酸といった成分を体内に増やす性質があります。
シュウ酸は多少であれば便として排出されるのですが、量が多いと尿中に出てくるようになります。
シュウ酸にはカルシウムと結合しやすい特徴があるので、尿の中にカルシウムがあると、結石がつくられやすくなります。
そのため動物性たんぱく質は結石の原因になるとされています。
肉類、魚類、卵、チーズ、乳製品 |
摂取した方がいい成分
カルシウム
カルシウムは、摂取することが悪いわけではありません。
摂取した分が身体へ吸収されずに、そのまま尿へ排出されることが問題なのです。
もちろんとりすぎれば尿の中に排出されて、結石ができる原因とはなりますが、日本人においては不足がしやすいミネラルと言われます。
シュウ酸を尿の中に排出しにくくする性質があるとされているので、意識して摂りたい成分ですね。
牛乳、ヨーグルト、チーズ、(乳製品) |
わかめ、こんぶ、ひじき、(海藻) |
わかさぎ、しらす、ししゃも、(小魚) |
モロヘイヤ、ほうれん草、小松菜、(葉物野菜) |
マグネシウム
尿中で結石ができるのを防ぐ役割があるといわれ、カルシウムの体内での利用を助ける作用もあります。
納豆や油揚げなどの大豆食品、牡蠣やすじこといった魚介類、こんぶやわかめといった海草に多く含まれます。
納豆、豆乳、豆腐、油揚げ、(大豆食品) |
牡蠣、いくら、あさり、はまぐり、すじこ、いか、うに、(魚介類) |
ひじき、こんぶ、わかめ、のり、(海藻) |
アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ(ナッツ類) |
クエン酸
おもにかんきつ類に多く含まれる成分で、尿の中でカルシウムが結石になるのを予防すると言われています。
レモン、オレンジ、キウイ、グレープフルーツ、梅干し、アセロラなど |
尿路結石に対して思うこと
尿路結石の原因は、尿中にカルシウム、シュウ酸、尿酸が増えるといったことだそうですが、カルシウム自体の摂取量が多い場合というのは日本人にはなかなか見られません。
乳製品を摂り過ぎればカルシウムが多くなりますが、そもそもカルシウムは慢性的な不足がしやすいと言われています。
結石の原因となるのは、コーヒーや紅茶を多めに取ることによってシュウ酸が増えたこと、またはアルコールや動物性たんぱく質を過剰に摂取して尿酸値が増えたことが原因と言えるでしょう。
結石の原因として見られるのは、一部の食品や飲料を、偏った過剰摂取によって起こしているのではないかと思います。
まとめ
尿路結石の症状
- 初期症状は軽い血尿や痛み
- 強烈な痛みがおそう
- 発熱が現れる
尿路結石の原因となる成分
- シュウ酸の入った食品をとりすぎない
- アルコールを摂り過ぎない
- 砂糖は尿中へのカルシウム排出の原因に
- 動物性タンパク質がシュウ酸を増やす
摂取した方がいい成分
- カルシウム
- マグネシウム
- クエン酸
尿路結石は初期症状によって、軽い血尿や鈍い痛みが見られるので、このような症状が現れたらすぐに病院に行くことを心がけましょう。
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