血糖値を上げない利点はあるけど…
アガベ(リュウゼツラン)と呼ばれる植物から採れるアガベシロップは、
一時期は、海外の美容業界でも注目されていたシロップでした。
血糖値をゆっくりと上げることから、糖尿病の
患者さんにも有効であると言われていた時期があります。
※血糖値をゆるやかに上げる食品を、低GI値食品と呼びます。
(GI値=グリセミック・インデックス)
しかし、品質管理の悪さと、アガベ自体が含む
成分の問題点が発覚してから、
その有効性が疑問視されています。
では今回は、この「アガベシロップ」の問題点を
くわしく掘り下げていきたいと思います。
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品質管理が悪い?
アガベはメキシコや南アフリカなどの
温かい国で生産されている植物で、
現地でシロップとして加工されます。
しかし、
加工の際に他の甘味料が含まれたという話や、
マフィアが絡んで添加物が使われたという話や、
メキシコのキャンディが含まれていたという話もあります…。
うーん、一体どうなっているんでしょうね…。^^;
ですので、品質管理については
あまり信用ができないと問題視されています。
そういった話を聞くと、私もさすがに食べたいという
気持ちにはなれませんね…。
加熱処理がされている
アガベはテキーラの原材料を加工して出来上がります。
原材料の段階では甘さがないので、高温で2回処理をすると甘みが出て
やっとシロップとして使うことができます。
しかし、高い温度で加工を繰り返すと、
食物繊維など、栄養素がすべて飛んでしまうので、
体にいいかどうかは考えものです。
フルクトース(果糖)が多い
フルクトースは果糖、
つまり果物に含まれる糖分と同じです。
果糖は血中で分解されないので
血糖値が上昇しにくいという点があります。
アガベはこのフルクトースがほとんどを占めており、
血糖値をあげるブドウ糖が少ないので、
低GI値で甘くて美味しいというポジションを
得ることができています。
しかしフルクトースは肝臓に達してから
消化されるという難点があるので、肝臓に負担がかかります。
また、人間は血糖値が上がることでインスリンが分泌されて
満腹感を得ることができます。
インスリンを分泌させることができるのはブドウ糖だけなので、
果糖がほとんどのアガペシロップは
満腹感を得ることができないという難点があります。
余談:GI値とは?血糖値との関係性
GI値(グリセミック・インデックス)は食品が体に入った際に
血糖値が上がるスピードを計ったものです。
このGI値の値が高ければ高いほど、血糖値の上昇は
早くなります。
では、血糖値の上昇が早いとどうなってしまうのか?ですが…。
血糖値は、糖が血管の中に
どれだけの量を含んでいるかを示したものです。
この血糖値の値が高い状態が高血糖と呼ばれ、
その状態が長く続くと、糖尿病になります。
つまり、血管の中に糖が吸収されるスピードが早いと、
一気に血管の中に糖があふれることになり、
血管に糖が多い状態が短時間でできあがります。
GI値の高い食品はこのスピードが早いというわけです。
ですので、数値が高い食品を食べ続けると、
この糖が多い状態が常に出来上がることになるので、
糖尿病になるということです。
ケーキなどに使われる上白糖はGI値109なので、
「甘いものを食べすぎると糖尿病になる」
といわれるのはこのためですね。
逆に低GI値の食品であれば、
その値が低ければ低いほど、血管への糖の吸収がゆっくりに
なります。
つまり、時間をかけて少しずつ血管に糖が運ばれるので、
血管に糖がゆっくりと運ばれる状態=高血糖になりにくい、
ということになります。
甘いシロップ類というのは、基本的にほとんど
このGI値が高いものばかりです。
シロップに使われるもの・砂糖のGI値
例…
・はちみつ:88
・メープルシロップ:73
・上白糖:109
・黒砂糖:99
70以上で高GI値と言われています。
なので、GI値が低くて、味も良いアガベシロップは
コーヒーシュガーの代わりや、ホットケーキにかける
シロップの代用として一時期とても注目されていました。
しかし、現在では品質管理の悪さなどが指摘され、
問題視されています。
まとめ
フルクトース(果糖)を多く含み、
肝臓に負担がかかるのはたしかに問題です。
しかし、果糖は多くの果物やはちみつにも含まれます。
これらは私達の暮らしの中でも、
普段から食べられており、食べ過ぎなければ
急に体を悪くするということはありません。
アガベシロップの場合、品質管理の問題点があります。
しかし、それさえ解決してしまえば、お砂糖の代わりとして
使うことくらいなら良いのではないか?というのが
私の考えです。
加熱のおかげで栄養分が飛んでしまっているので、
どちらかというと自然に取れた天然のハチミツのほうが
栄養的には優れているのでしょうが…。^^;
もちろん、摂りすぎはどんなものでも
よくありませんので、適量摂取が重要です。
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