糖尿病になるとトイレ通いが多くなる、水がたくさん飲みたくなるといった症状が出るようになります。ほかにも爪に異常が現れるようになったり、食事をとっても栄養が吸収されず、太らなくなってしまうといった症状が現れます。
しかし、糖尿病になると目の充血も起こるようになります。糖が血液にあふれていると、血管が詰まりやすくなるからです。
糖尿病は、食事の内容に気をつけることによって、改善していくことが出来ます。そのためには、適切な行うべき献立の内容を知っておくことが大切です。
今回は糖尿病によって起こる目の症状と、献立の内容について見ていきましょう。
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糖尿病によって起こる目の症状
疲れ目や充血といった症状は、一般的にスマートフォンやパソコン画面の見過ぎ、勉強疲れなどで起こるとされますが、糖尿病によって引き起こされることもあるのです。
充血
充血は高血圧などでも見られるとされていますが、糖尿病とは特に深く関係している症状と言われています。充血が起こるのは、目の中の血管が広がって負担がかかっている状態です。
血液に糖があふれた状態(高血糖)が長く続くと、血管が詰まりやすくなります。目の血管は繊細で細いため、破れやすく、症状が現れた時は合併症になっている危険性があると言われています。
新しい血管が作られると起こる糖尿病網膜症
高血糖によって、目の中の血管が詰まるようになると、目は新しい血管(新生血管)を作り出し、血液を流せなくなった部分に血流を送り出そうとします。
この新生血管がとても繊細で壊れやすいため、多少の目の酷使によってすぐに出血が起こりやすくなっているのです。
これで、目の充血という症状として現れます。高血糖の状態であると、破壊もされやすいため、目のかすみ、視力低下、蚊のような小さな虫が飛んでいるように見える(飛蚊症)など、充血以外にも症状が現れるようになります。
ひどくなると眼の視力を失うことにもなりますので、あまりにも充血が長く続く場合は早めに病院で診察をうけましょう。
<糖尿病網膜症の症状>
- 充血
- 目のかすみ
- 視力が落ちる
- 飛蚊症
- 失明
眼の症状というのは、放っておきがちです。痛みがないので、異常に気づいても、後々治るように思い込んでしまいます。
しかし通常の目の充血は、コンタクトなどを控え、目をきちんと休めれば治るとされます。それでもあまりにも長く充血が続くときは、糖尿病の症状を疑いましょう。
糖尿病をひどくしないための食事のポイント
高血糖の状態が長く続くことによって、糖尿病は引き起こされます。血糖値はブドウ糖によって上昇するといわれ、この食品ごとの血糖値の上昇の速度の度合いを計った数値をGI値(グリセミック・インデックス)といいます。
ブドウ糖が含まれる食品は主にご飯やパン、麺類などのいわゆる主食と呼ばれるものです。できるだけこのGI値が低い食品を選ぶことで血液へ糖があふれるのを抑え、ゆるやかに血糖値をあげることができます。
糖尿病になってしまう主な原因は主食のとりすぎというよりも、菓子類(ケーキやクッキーなど)やコーラなどの甘い清涼飲料水の摂取過多、偏った食生活だと言われています。
砂糖はGI値が高いので、慢性的な摂取によって糖尿病を引き起こします。ですのでまずは菓子類の摂取を控えることが大切とされます。
【GI値】
- グラニュー糖 110
- 氷砂糖 110
- 粉砂糖 109
- 上白砂糖 109
- 三温糖 108
- 黒砂糖 99
- 水あめ 93
- はちみつ 88
- メープルシロップ 73
食物繊維を一緒にとる
主食において、たとえば白米は精製されているので栄養素がほとんど残っていないとされています。必然的に血糖値の上昇スピードも早くなり、血液中に糖があふれるのが早いです。
しかし、白米を玄米に変えることによって食物繊維を一緒にとることができます。玄米は胚芽などが全てついたままの状態なので、栄養がそのまま残っているのです。とくに水溶性の食物繊維には糖の吸収をゆるやかにする作用があるので、急激な血糖値の上昇を抑えることが出来ます。
水溶性食物繊維を多く含む食品には、ごぼうや納豆、オクラ、アボカド、モロヘイヤ、にんじん、きのこ類などの植物性食品に多く含まれています。
これらを積極的に食事の中に取り入れ、食事の始めに食べることで、血糖値の上昇をゆるやかにすることができるでしょう。
<水溶性食物繊維を含んだ食品>
- ごぼう
- 納豆
- オクラ
- アボカド
- モロヘイヤ
- にんじん
- なめこ
- さやいんげん
- さつまいも
- ゆりね
- にんにく
- エシャロット
- きんかんなど
献立の例
糖尿病を酷くしないためには、できるだけ血糖値をあげない食材をチョイスすることがポイントになります。たとえば精製されていない食べ物を選ぶ、最初に野菜を食べるようにするなどの方法があります。
バランスの良い献立の例を上げてみましょう。
【朝】
- 玄米ご飯
- きんぴらごぼう
- 豆腐とワカメのみそ汁
- ほうれん草の胡麻和え
- オクラ納豆
- ヨーグルト(糖質カットのもの)
主食はできれば玄米や発芽玄米などが望ましいですが、これだけお野菜があれば白米でも良いでしょう。ご飯は一番初めに食べるのではなく、食物繊維を摂取してから口にするといいです。
【昼】
- なめこそば
- さやいんげんと豚肉の炒めもの
- 切り干し大根
- きゅうりとなすの漬物
麺類はうどんやスパゲティよりも、そばが一番血糖値を上げません。また、調味の時に使う砂糖はハチミツを使うと、血糖値の上昇がゆるやかです。ハチミツの中には甘味料が含まれているものもありますので、純粋な100%ハチミツのものを選びましょう。
麺類だとどうしてもおかずを忘れがちですが、お野菜とタンパク質の摂取を忘れずに。
【夜】
- 麦ごはん
- サツマイモとレンコンの煮物
- ホッケの塩焼き
- ミニトマトと玉ねぎのサラダ
- りんご
【間食について】
間食などには、できるだけ砂糖の含有量が少ないものを選びます。例えばチョコレートなら普通のミルクチョコではなく、ノンシュガーのチョコレートを選べば血糖値を上げません。
ちなみに果物に多く含まれる果糖は血糖値を上げない特性をもちます。ですので、リンゴやイチゴ、みかんといったフルーツも間食には良いでしょう。ただし果糖はとりすぎると肝臓に負担がかり、肥満になりやすくなるので、摂取量には注意しましょう。
ドライフルーツは手軽で身体には良いのですが、糖分が増えているので、糖尿病の食事管理からいうとあまりオススメはしません。
献立を立てる時の注意点
食事で気をつける点について、わかりやすい動画がありましたので、ぜひご覧ください。
要点を抜き出すと、以下のようになります。
- 糖質のとりすぎに注意する
- 白い主食(白米、食パン、うどん)よりも玄米、全粒粉パン、そばを選ぶ
- おかずはタンパク質の多い食品を選び、酢の物を組み合わせる
- 最初に野菜を食べる
- よく噛んでゆっくり食べる
- 3食食べる
- 食べてすぐ寝ない
- 適度な運動もする
まとめ
目の充血がずっと収まらない場合は糖尿病を疑いましょう。合併症になっている可能性もありますので、早めに病院に行くことが大切です。
食事の際は、まずは食物繊維の多い野菜から食べるようにし、主食は白いものを選ばないようにするといった、血糖値を上げない工夫をしてください。甘い清涼飲料水や砂糖の入ったお菓子のとりすぎには十分注意しましょう。