“お彼岸には何をお供えすればいい?“
春と秋の2回訪れるお彼岸、故人のためにお供え物を用意して親戚のお家に訪問したりしますよね。
この日にはお墓参りに行ったり、お菓子を用意したりするわけですが、お供え物にはいったいどんなものを選んだらいいのでしょうか?
きちんとお渡ししたい場合はのしをかけると思いますが、その場合ののし紙の選び方についてもまとめていきます。
<このページに書かれている内容>
- お彼岸の定番のお供え物「ぼた餅」と「おはぎ」
- お彼岸でのお供え物の選び方
- お墓参りでのお供え物
- お供え物と現金(不祝儀袋に包む場合)の相場
- お供え物につけるのし(掛け紙)の水引や表書きのマナー
- 不祝儀袋の選び方と書き方
- お彼岸にお供えするお花
記事内容(項目をクリックすると飛べます)
お彼岸の定番のお供え物は「ぼた餅」「おはぎ」
お彼岸において、とくに定番だとされているのは「ぼた餅」と「おはぎ」です。
- ぼた餅:「牡丹餅」と書き、春の季節に咲く牡丹に見立てた食べ物
- おはぎ:「お萩」と書き、秋の七草のひとつである萩の花に見立てた食べ物
なのでぼた餅が春、おはぎが秋のお彼岸に供えます。
ぼた餅やおはぎに使われている小豆の赤色は災いが降りかからないようにしてくれると言われているので、「邪気を払う」効果から、ご先祖様を供養するために使われて来たのだそうです。
ぼたもちは「こしあん」、おはぎは「粒あん」
小豆は秋に収穫時期を迎えます。
すると秋のお彼岸の時期には皮のやわらかい小豆を使うことができるため、粒あんを作ることができます。(おはぎ)
しかし春のお彼岸の頃には、保存していた小豆の皮が固くなってしまいそのまま使用するとおいしくありません。
なので皮を取り除いてあんをつくり、こしあんができたのです。(ぼた餅)
こうした理由から、春のぼた餅がこしあん、秋のおはぎが粒あんとなったのです。
現在では保存技術なども進歩して、こしあんのおはぎが売っていたりもするんですけどね。
歴史を意識して、おはぎとぼた餅を使い分けるのも素敵だと思いますよ。
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お彼岸でのお供え物の選び方(ぼた餅とおはぎ以外)
さて、ぼた餅とおはぎがお彼岸に使用されることはわかりましたが、これらはみんなが持ち寄ってしまうと大変な量になってしまいますよね。(´ω`;)
保存がきけば良いのですが、ぼた餅・おはぎは生モノなので早めに食べなければならず、長持ちしないのも難点です。
では、お彼岸においてどのようなものがお供え物にいいのか?という点ですが、基本的にはコレという決まりはなく、亡くなった故人が好きだったものを選ぶのがポイントです。
<お供え物の例>
- フルーツ(季節のフルーツなど)
- お菓子(和菓子、洋菓子)
- お酒
- 飲み物
- 食べ物
- お線香
- ロウソク など
好きだったならおせんべいとかアルコールとかでもOKです。
お供えというと和菓子に偏りがちなのですが、洋菓子でも構いません。
(お菓子なら基本的に日持ちがする個包装のものが望ましいです。)
ただお供え物はご先祖様と分け合うことによって供養になると言われるので、お渡しするご家族もおいしく食べられるようなものを選べるとさらにいいと思います。
地方に住んでいるなら、他のところでは売っていない特産品とかでも良いと思います。
なお、ロウソク、お線香はお墓参りやお仏壇などで消費するのでお供え物として持っていっても大丈夫です。
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お墓参りのお供え物
お墓参りに持っていくものも基本的には先に紹介したようなお供え物でOKですが、お墓でお供えした食べ物は持ち帰るようにしてください。
理由としては放っておけばいずれ腐ってしまうのと、人間がいない間にカラスなどが来て食い荒らしてしまうので、散らかるのを防ぐためです。
なお、お墓でお供えした食べ物はその場で食べるか、家で食べるかは決まりがありません。
例として、うちではお墓で手を合わせた後はその場で供えた分を食べるようにし、お供えできずに余分に残った分はお家でみんなで食べるスタイルでした。
お供え物の相場は?現金を包む場合は?
お供え物として持っていく品物の相場としては、3000円~5000円くらいが相場のようです。
お金を直接包む場合(香典=香のための代金)でも同じくらいですが、4(死)と9(苦)を避けたほうがいいので、現金は3000円か5000円がちょうどいいでしょう。
3000円くらいであればお菓子の詰合せでもそれなりに立派なものを購入することができます。
お線香だととても立派になりますね。
こうしたちょっとだけ見栄えのいいロウソクのセットとか、普段はあまり購入しないと思いますので、喜ばれると思いますよ。
お供え物につけるのし(掛け紙)について
お供え物を持参する際はのしをつけます。(弔事では「のし」のことを正しくは「掛け紙」といいます。)
親しい間柄であればのしではなく通常の包装紙のままでもいいかもしれません。
しかし付けたほうが良いかわからず心配な場合は、掛け紙をつけてきちんとしていっても損はないでしょう。
- 水引の色:黒白、双銀、黄白(地域差があります)
- 水引の結び目:結び切り
- 表書き(水引の上):御供、お供え
水引の色はその地域によって多少違いがあります。
私の住んでいる東北では弔事用は黒白が一般的で、黄白の水引は売っているのを見かけないですね。
調べてみたところだと、どうやら黄白は関西に多いようです。
結び切りはこうしたカタチです。(画像はのし袋ですが掛け紙においても同じです。)
結び切りは、一度結んでしまうとカンタンにはほどけないことから「二度とあってはいけないこと」「一度きりにしたいこと」に使用されます。(弔事以外にも結婚祝いや病気お見舞いなどにも使われます。)
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現金を包むときの不祝儀袋(のし袋)の選び方・書き方
不祝儀袋に現金を包むときは、以下の様なものを選びます。
- 水引の色:黒白、双銀、黄白
- 水引の結び目:結び切り
- 表書き:御供物料、御花料、御仏前
表書きには意味があります。
- 御供物料:お供え物の代わりとして
- 御花料:お花の代わりとして
「御仏前」はどちらの場合でも使えるので、迷ったときはこちらの表書きを書くようにしましょう。
お彼岸にお供えするお花に決まりはある?
お供え用のお花といえば「菊」が定番で、長持ちするのでお彼岸でもよく使われます。
ほかにはトルコキキョウやガーベラ、カーネションなども使われますが、厳密にこのお花でなければいけないというルールはありません。
お彼岸なのであまり華々しすぎないほうが良いかもしれませんが、お墓参りでも見渡してみれば、各ご家庭それぞれで色んなお花をお供えしています。
購入するときは、以下のような基準で選んでみると良いでしょう。
- 故人が好きだったお花
- その季節のお花
- 日持ちがするお花
- お彼岸用に販売されている花
個人的には亡くなられた方が好んだお花が一番だと思いますが、迷うときはお花屋さんに相談してみてもいいと思いますよ。
また、毒やトゲのある花、香りが強い花はお供えにするにはNGとされますので、マナーとして覚えておきましょう。
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お彼岸のお供え物まとめ
今回の内容をまとめると、以下のようになります。
- 春のお彼岸ではぼた餅、秋のお彼岸ではおはぎ
- お彼岸のお供え物は故人が好きだったもの・できればご家族も美味しく食べられるもの
- お墓参りのお供え物は、その場で食べるか持ち帰る
- 現金を包む場合は3000円~5000円くらいが相場
- お供え物の掛け紙は結び切りで、表書きは「御供」などと書く(水引の色は地域差があり)
- 現金の不祝儀袋は結び切りで、表書きは「御仏前」などと書く
- お供えのお花は故人が好きだったお花などを選ぶ(毒・トゲがある花、香りが強い花はNG)
お彼岸ではぼた餅やおはぎをお供えするのが定番ですが、生モノなので全員が持ち寄るようなものではないと思います。
故人とそのご家族両方が喜んでくれるものを選べると一番いいですね。
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