レモンに使われる防カビ剤、ポストハーベストの問題点と危険性
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海外から輸入される生ものを、食べ物として成り立った状態を保つために使われる


ポストハーベストとは、防カビ剤や防腐剤などの農薬が
収穫後に散布されるという意味で使用される用語です。

つまり、農薬自体の個別の名前ではなく、
やり方を説明した用語なんですね。

私も初めは、
「ポストハーベスト?どんな農薬なんだ?」
と勘違いをしましたが、農薬単体の名称ではないです。

 

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作物や果物が育てられている最中に使われる農薬は、
成長の段階での時間の経過により、ある程度毒性が薄まります。
なので、過剰でなければ大きな影響は及ぼしません。

(それでも、洗い流すことは必要ですが。)

 

しかし、ポストハーベスト農薬の場合、収穫後に直接散布して
ほとんど時間を置かないので、
見た目からしてツヤツヤとして見えます。

アフリカ産のグレープフルーツって、
スーパーに行けば売ってますよね。
みんな輝いてておいしそうです。

しかし、正体を知るとあまり気持ちいい光景とは
思えなくなるはずです…。(^^;)

 

 

危険性の大きい農薬を使う理由

日本では本来、収穫後の
ポストハーベストの使用は禁止されているのです。
だって、もう出荷してOKな果物に、農薬を直接つけるわけですし、
明らかに危ないです。(^^;)

洗い流せなければ、その成分が
そのまま直接身体に入ることになりますから。

国としても、危ないとわかってて、
身体に悪影響を及ぼす農薬を使うリスクは取りたくないのです。

 

しかし、アメリカやヨーロッパ、アフリカなど、
温かい気候でしか育たず、国内でしか作れないものは、
輸入に頼るしかないわけです。

例えば、グレープフルーツ、パイナップル、オレンジ、
レモン、アメリカンチェリーなど。

 

私もこれらの果物が大好きですから、食べられなくなったら、
とても悲しい思いをします。

この記事をみているあなたにも、
1つくらいは好きな果物があるのではないでしょうか?

あ、流石にレモンは丸ごと食べませんよ。(笑)
あれは、からあげにかけたり、ジュースに入れたりする果物です。(^^;)

 

ですので、ポストハーベスト農薬は
海外から日本に輸入されるときにのみ
使用されています。

遠い外国から船や飛行機で輸出される際に
運送時間が長くなるので、その際にカビや虫が湧かないよう
予防するために使われます。

 

つまり、国内で生まれて、国内で流通する果物や野菜には
毒性の強いポストハーベスト農薬の心配はないわけです。

これが使われるのは、
ほぼ輸入に頼るしかない食べ物です。
かつ、生もので腐りやすかったり、カビが生えやすい
食品であると言えるでしょう。

 

レモンはとくにわかりやすいですね。
個別の包装に、使われているポストハーベスト農薬の種類が
表記されています。

 

「このレモンには、防ばい剤として、TBZ、イマザリル、フルジオキソニルを
使用しています。」

 

という感じの表記を見たことはありませんか?
だいたい農薬は2種か3種くらいは書いてあるでしょう。

今度、レモンを見かける機会があったら、確認してみてください。
ちなみに、グレープフルーツなら、山積みになったところの
値札の近くとかに表記の札があると思います。
(スーパーによっては見当たらない場合がある)

 

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ポストハーベスト農薬が散布された食品の問題点

まず、水洗いで落ちにくい種類が存在するということです。
「農薬はきちんと洗い流せばいい」

という一般常識がありますが、種類によっては
これがなかなか通用しないことがあります。

 

それに、たとえ落とせても、農薬が果肉の部分にまで浸透してしまっている
という問題もあります。

なので、外国から輸入された果物は、
できるだけ食べる頻度は多くないほうが良いのです。

 

しかし果物好きだとちょいと厳しい部分があるので、
国内産の果物を選ぶなどの工夫をするのがよいでしょう。

まあ、グレープフルーツなどは、国産を入手するとなると、
値段が上がるのですが。

 

ポストハーベスト農薬の種類と危険性

表記としてみられるのは、主に5種類です。

・OPP(オルトフェニルフェノール)
カビが生えたり、腐ったりするのを防ぐための防カビ剤として使われています。
過剰にとると発がん性、肝臓障害が起こることが認められています。

 

・DP(ジフェニール)
これも同じく防カビ剤です。肝臓や膀胱への障害がみられたという報告があります。
DPでは予防できないカビがあることが発覚したため、
OPPほど使用頻度は高くないようです。

 

・イマザリル
これも防カビ剤です。とくにかんきつ類はカビがつきやすいため、
作用の強いイマザリルが使われることが多いです。

また水洗いで落ちにくい性質があるので、
皮の部分に気をつけて食べる必要があります。

 

・TBZ(チアベンタゾール)
同じく防カビ剤です。防カビ剤、種類が多様ですね…。

遺伝子への影響や発がん性への疑いがあります。
バナナにも使われる保存料です。

ちなみに、バナナは頭のヘタ部分に集中的に散布されます。
ですので、皮を向いた時にそのまま
かじりつくのではなく、果肉を1cmくらいを切り落とすことを勧めます。

 

・2,4-D
除草剤(枯葉剤)です。レモンのヘタなどが腐らないように
ワックスとして使われることがあります。
しかし、最近の表記ではあまり見ませんね。

 

余談:防ばい剤、防カビ剤、防腐剤の違い

防ばい剤は防黴剤と書くのですが、防カビ剤とも読みます。

つまり、防ばい剤と防カビ剤は同じものです。

防腐剤はそのままの意味で、食べ物を防ぐための作用をします。
これらはいらない説明かもしれませんが、まあ余談ということで…。

 

まとめ

つまり、ポストハーベスト農薬が行われるのは、

「国内で生産ほとんどできないけど、需要がある果物などの生ものを、
腐ったり、カビが生えたりせずに海外から日本へ届けるため。」

という説明で占めることができるでしょう。

そもそも、需要がなければ輸入しません。(^^;)

 

グレープフルーツが好きなのに、食べられなかったら悲しいです。
ですが、国内で作ることがほとんどできないので、
果物を食べ物として成り立つ形として届けるため、
ポストハーベスト農薬は行われているのです。

 

ですが、ポストハーベスト農薬として散布される農薬は、
人工的に作られた化学物質なので、
ほとんどが発がん性の強い成分であることは確かです。

果肉にも浸透するので、
高い頻度では食べないとか、国産のものを選んで食べるといった
工夫をすることが望ましいといえます。

 

輸入された果物を食べるときは、
表面の皮に気をつけたり、
きちんと洗い流して食べるようにしましょう。

 

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